研究課題/領域番号 |
22KJ1784
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補助金の研究課題番号 |
22J01504 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
立石 友紀 京都大学, 高等研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 金属錯体多面体 / 金属錯体ソフトマテリアル / 自己集合 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノサイズの空間を有した金属錯体多面体(MOP)とリンカー分子の自己集合化により構築された非晶質多孔性材料、金属錯体ソフトマテリアル(MOSOM)は階層性・柔軟性・多成分性を有し、近年着目されている材料である。本研究課題では、MOSOM形成時に必要な条件として(1)配位子交換の平衡定数や速度定数、(2)ネットワーク構造の分岐度、(3)集合体のサイズを定量的に解析する。この定量的指標に基づいて多彩なMOSOMの合成指針を確立するだけでなく、多孔性・機械特性・自己修復性といった機能制御へと発展させる。
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研究実績の概要 |
本研究は、金属錯体多面体(以下MOPs)を「空間単位」として定義し、リンカー分子との自己集合によって構築される階層構造(金属錯体ソフトマテリアル、以下MOSOM)の創出とその機能開拓を目的とする。その課題は、(1) MOPを構成する多座配位子とMOPを連結するリンカー配位子のライブラリ拡張を通じた階層構造パラメーターの解明、(2) 配位活性金属イオンを1次構造分子とする多彩なMOSOMの創出である。本年度は、課題1と2に対して、新規MOPsの合成と構造同定、ならびに物性機能の一つとしてガス吸着能の評価を中心に研究を進めた。 課題1に関して、前年度に合成した、12個のカルバゾールジカルボン酸(以下, HCz)からなる八面体型ロジウムMOP(HCzRhMOP)の表面に12個のベンジル基を導入した構造に対応する、9-ベンジル-9H-カルバゾール-3,6-ジカルボン酸(BnCz)からなる八面体型ロジウムMOP(BnCzRhMOP)を新たに合成した。さらに、MOP合成の段階でHCzとBnCzを混合して反応させたことで、MOP 1分子上に導入されているベンジル基の数を1,3,6,9,11個にそれぞれ調整したHCz/BnCz混合MOPを合成した。一連のHCzRhMOPとBnCzRhMOP、そしてHCz/BnCz混合MOPを用いてガス吸着能を評価した結果、MOP表面に導入されたベンジル基の数が増えれば増えるほど、ミクロ孔へのガス吸着能は線形に低下することを見出した。 課題2に関して、前年度に合成したジベンゾ[b,d]チオフェン-2,8-ジカルボン酸とロジウム二核パドルウィール錯体からなる八面体型ロジウムMOPの金属イオンをルテニウム二核錯体に置き換えた新規八面体型ルテニウムMOPを合成し、単結晶X線構造解析により構造同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、既知のMOP合成における知見を元に、MOPを構成する多座配位子のライブラリを拡張した。MOP表面に導入した官能基の数が増えることによってガス吸着能が線形に低下していくことを見出した。また配位活性金属イオンの一つとしてルテニウムイオンからなる新規MOPの合成に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに合成できた八面体型MOPsと、リンカー分子との自己集合による金属錯体ソフトマテリアル形成を行い、反応条件および構造情報を定量化する。併せてガス吸着能や機械応力への応答性などの詳細な解析を進める。また、これらの知見を元に新規MOSOM合成にフィードバックする。
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