研究課題/領域番号 |
22KJ1788
|
補助金の研究課題番号 |
22J01561 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村田 圭代 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 対位法 / 弦楽四重奏 |
研究開始時の研究の概要 |
室内楽のなかでも、弦楽四重奏は「至高の」ジャンルとみなされてきた。弦楽四重奏の美的序列の高まりは18世紀半ば以後、創作者と受容者の相互作用のうちにもたらされたであろう。本研究ではその過程において、18世紀半ば以前の転回対位法が一定の役割を果たした、との仮説を立てる。F. J. ハイドン(1732~1809)、W. A. モーツァルト(1756~1791)、L. v. ベートーヴェン(1770~1827)の「古典派三大巨匠」が習得した対位法と弦楽四重奏を検証し、いわゆる「古典派」の美的規範の確立に厳格対位法の伝統がどのようにかかわったかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、18世紀半ば以後、いわゆる「古典派」の美的規範の確立に、18世紀半ば以前の対位法の伝統がどのようにかかわったかを明らかにすることである。「古典派」の三大巨匠とされるハイドン Franz Joseph Haydn(1732-1809)、モーツァルト Wolfgang Amadeus Mozart(1756-1791)、ベートーヴェン Ludwig van Beethoven(1770-1827)を中心に、彼らの楽曲に加え、彼らが習得した対位法、当時の音楽理論書や言説をも分析対象とする。 第二年度にはモーツァルトの弦楽四重奏曲と、対位法を多用した楽曲をジャンルを問わず取り上げ、J. S. バッハ Johann Sebastian Bach(1685-1750)の対位法とのかかわりを中心に探究した。モーツァルトがバッハの音楽より何かしらの影響を受けたにちがいない、との推測は長きにわたってなされてきたが、その実態を具体的に論じることはたやすくない。筆者は対位法的観点からの分析をとおし、その受容がいつどこでなされたのかを精確に推定することは難しいものの、モーツァルトが主に習作や断片においていくつかの対位法的技法を集中的に習得し、(和声的ではなく)対位法的な音の選びかたにもしだいに習熟し、楽曲内でそれらを時に難度を高めつつもちいたことを示した。更に、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンが対位法の理論を習得、教授した際の書き込みを手掛かりに、楽曲内で対位法の規則をどの程度厳格に適用すべきと彼らがとらえていたのかについても、考察を深めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第二年度にはモーツァルトの弦楽四重奏曲と、対位法を多用した楽曲をジャンルを問わず取り上げ、18世紀半ば以前の対位法とのかかわりを検証するにあたっての基礎を固めることが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
第三年度にはハイドンの弦楽四重奏曲を、モーツァルトの弦楽四重奏曲への影響が指摘されているものを中心に対位法的観点から分析したのち、研究のまとめに入りたい。
|