研究課題/領域番号 |
22KJ1804
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補助金の研究課題番号 |
22J10885 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川瀬 朗 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 欧州統合 / 共通通商政策 / 欧州委員会 / EU研究 / 国際政治経済学 / 貿易 |
研究開始時の研究の概要 |
域内において単一の市場を形成するEU(欧州連合)は,グルーバル市場において自由貿易の深化を標榜する一方,時としてアンチダンピングに代表される保護主義的な貿易政策をとる。この貿易政策決定過程の中心では,EUの行政機構たる欧州委員会とEUの加盟国の間で政治的駆け引きが繰り広げられている。本研究は,欧州委員会の歴史資料室で収集した資料の分析を中心としつつ,他の資料や量的なデータの分析も交え,この政治的闘争についての包括的理論の構築を頑強な実証分析とともに行う。
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研究実績の概要 |
研究課題の最終年度で2023年度は、研究課題の最終年度として当初目標を達成するとともに、研究遂行の中で派生的に生まれた研究も学会報告に繋げることができた。 まず当初目標であったものとして、博士論文を所属大学院に提出、審査の上合格となり、学位を取得した。当該博士論文は、EUの共通通商政策決定過程における欧州委員会の役割という本研究課題の中核的テーマに対して、一つの解を与えることに成功したものといえる。具体的には、欧州委員会が対アメリカ貿易交渉に際して、時にアメリカの強硬姿勢を域内合意の梃子として用いる様相を示した。論文における実証部の分析は、昨年度ベルギーのブリュッセルにある欧州委員会歴史資料室を訪問して収集した資料の分析が中心となっている。したがって研究課題実施期間の前半の準備作業を研究成果に繋げることができたといえる。 また、この研究課題遂行の過程で既に昨年度公表に至った学会誌投稿論文に対して学会から奨励賞を受けることとなった。このように、当該研究に対して、同一分野の研究者からも一定の評価を受けることができた。 本研究課題は、当初、貿易政策決定過程における利益団体の役割についても関心を向けていた。この点、博士論文においては多くを扱うことはかなわなかったが、利益団体の役割を等閑視することはできない。そこで、EUにおいても活発な議論や具体的な政策形成の動きが見られる半導体をめぐる貿易を題材として共同研究を行った。この研究も学会報告という形で一定の成果を挙げた。
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