研究課題/領域番号 |
22KJ1806
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補助金の研究課題番号 |
22J11309 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀 雄高 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 実業補習学校 / 青年学校 / 農村教育 / 女子教育 / 裁縫教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、 明治期から昭和期にかけての実業補習学校(以下、実補)を対象として、学校教育が地域社会のなかでどのように成立したのか、逆に学校教育によって地域社会に生きる人々の「学び」や「教育」に 対する捉え方がどのように変容したのか、学校外に存在した生業や学びのあり方にも注目して、明らかにすることである。そのために各地域の文書館等で実地調査を行い、行政文書、家文書、雑誌史料を博捜し、分析することによって実業補習学校の実態を検討していく。
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研究実績の概要 |
2023年度は、東京大学情報学環・学際情報学府図書室、明治新聞雑誌文庫、東京都立公文書館、国立国会図書館、同憲政資料室、後藤・安田記念東京都市研究所市政専門図書館、小平市立図書館、愛知県立図書館、名古屋大学教育発達科学図書室、オーテピア高知図書館を訪問して史料調査を行った。 以上の作業により、①1920年代頃から実業補習学校の専任教員集団が登場したこと、②専任教員たちが「農村振興」「教育の機会均等」を課題として、大正新教育・海外教育事情の影響をうけながら、学校教育の現場で教育実践を模索していたこと、③そのような専任教員たちが既存の中等教育を批判的にとらえ、実業補習教育・青年教育こそを学校教育体系の正系に位置づけようとしていたこと、④戦時下には青年学校の専任教員によって、戦時体制に呼応しつつ、既存の中等教育制度の革新をめざした運動が展開したこと、が明らかになった。 また、1890年代末における実業補習学校・農業学校の制度化の前段階における教育のありようを追究するべく、前年度までに収集した史料を用いて、1880年代から90年代を対象時期として滋賀県伊香郡の事例を検討した。その結果、①名望家層を担い手とした養蚕をめぐる知識と技術を伝授する営みの内実と、そのような営みが学校教育に収斂していく過程、②導入された学校教育は、中央政府の政策意図がただちに実現したわけではなく、地域の農業振興と指導者層育成の課題をふまえて構成されていたこと、が明らかになった。現在は研究成果の論文化に取り組んでいる。
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