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イネにおける光合成誘導反応の多様性をもたらす生理・遺伝的要因の包括的解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1812
補助金の研究課題番号 22J11797 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分39020:作物生産科学関連
研究機関京都大学

研究代表者

谷吉 和貴  京都大学, 農学研究科, 助教

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードイネ / 光合成誘導反応 / 温帯ジャポニカ / 熱帯ジャポニカ / インディカ / 自然変異
研究開始時の研究の概要

本研究は、光強度の急増に対する光合成の応答(光合成誘導反応)を遺伝的に改良し、作物の生産性を向上させることを目指している。多様なイネ品種から構成される研究材料を用いて、イネの品種間および亜種(温帯ジャポニカ、熱帯ジャポニカ、インディカ)間での多様性を評価し、ゲノムワイドな遺伝解析を実施している。さらに、交雑によって良食味品種コシヒカリに迅速な光合成誘導反応を導入した系統を作出中である。

研究実績の概要

光強度の急増に対する個葉光合成の応答(光合成誘導反応)は、圃場環境下における作物の生産性および環境ストレス耐性に関わる。本研究では、温帯ジャポニカ、熱帯ジャポニカ、インディカ間の光合成誘導反応の差異を調査し、その生理生態的要因と遺伝的要因の解明を目指した。
日本在来イネコアコレクション(JRC)について、弱光から強光の変化に対する光合成速度の応答を観察し、光合成誘導反応の多様性およびイネ亜種間での差異を評価した。結果として、JRCの光合成誘導反応には大きな遺伝的多様性が確認された。強光照射後10分間の積算光合成量は、最大光合成速度と有意な相関がなく、強光照射直前の光合成速度と密接な相関を示した。これは先行研究と同様の結果であり、光合成誘導反応と最大光合成速度は独立した要因によって制御されること、弱光下での光合成活性がその後の光合成誘導反応に重要であることが示された。世界のイネコアコレクション(WRC)の結果も含め、イネ亜種間で比較した結果、最大光合成速度については差異が確認されなかった一方で、光合成誘導反応については温帯ジャポニカが、熱帯ジャポニカおよびインディカよりも緩慢であった。温帯ジャポニカは、誘導反応中の炭素獲得量が少ないものの積算蒸散量も少なく、変動光下において水の損失を抑える水利用戦略をとっている可能性がある。
次に、JRCの誘導反応中における光合成速度の時系列データに対しゲノムワイド関連解析を実施したところ、染色体第7番と第9番にピークが検出された。また、迅速な光合成誘導反応を有するインディカ品種ARC 11094と温帯ジャポニカ品種コシヒカリに由来する戻し交雑集団を用いた解析では、染色体第7番と第12番にピークが検出された。これら4つのピークはそれぞれ異なる染色体領域に位置していたことから、光合成誘導反応の多様性には様々な遺伝的要因が関与していると考えられる。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 時系列ゲノムワイド関連解析によるイネ光合成誘導反応の多様性をもたらす遺伝的要因の探索2023

    • 著者名/発表者名
      谷吉和貴,中嶌洸太,西村和紗,田中佑,白岩立彦
    • 学会等名
      日本作物学会第256回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Different mechanisms underlying the rapid photosynthetic induction response to light transitions among rice cultivars2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Taniyoshi, Yu Tanaka, Shunsuke Adachi & Tatsuhiko Shiraiwa
    • 学会等名
      6th International Rice Congress 2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] QTL-seqを用いたイネの光合成誘導反応の品種間差をもたらす遺伝的要因の探索2023

    • 著者名/発表者名
      谷吉 和貴、田中 佑、白岩 立彦
    • 学会等名
      第255回日本作物学会講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 日本在来イネコアコレクションを用いたイネ亜種間における光合成誘導反応の差異の検証2022

    • 著者名/発表者名
      谷吉 和貴、田中 佑、白岩 立彦
    • 学会等名
      第254回日本作物学会講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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