研究課題/領域番号 |
22KJ1814
|
補助金の研究課題番号 |
22J12002 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
KWAK MINSEOK 京都大学, 人間・環境学研究科, 講師
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 京都学派 / 植民地朝鮮 / 朴鍾鴻 / 田辺元 / 京都大学 / 種の論理 / 我々の哲学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の哲学者田辺元と朝鮮(韓国)の哲学者朴鍾鴻の比較を中心として、彼らの思想を「日韓関係」の哲学的考察という側面から読み解いていく。彼らの直接的な影響関係を詳細に検討することから始め、その成果を踏まえて、彼らが置かれていた日本と韓国社会の相違、また彼らが未来の思想的資源として重要視した伝統思想(親鸞の他力信仰、李滉の朱子学など)の現代的意義、などを検討していく。
|
研究実績の概要 |
植民地朝鮮の最重要哲学者である朴鍾鴻は、その思想の形成期に日本の哲学者から至大な影響を受けているが、既存の研究ではこの点が注目されてこなかった。本研究では、朴鍾鴻が日本の哲学者三木清から受けた影響を明らかにし、日韓哲学影響史の重要な一つの局面を明らかにした。またその過程で、朴鍾鴻が如何に三木清の哲学を克服しようとしたのかに注目し、朝鮮哲学の独自な論理を明らかにすることによって、日韓比較哲学の新たな可能性を導き出した。 なお、朴致祐、申南澈など植民地朝鮮の哲学者が日本の思想界で流行した「不安」の言説にどのように反応したのかを明らかにした。三木清、戸坂潤、小林秀雄らがお互いを批判しながら展開された「不安」の言説は、植民地朝鮮にまで転移し、多くの朝鮮の思想家をその論争に巻き込んだ。植民地の思想家は、日本発の言説を受動的に受け入れただけではなく、それを克服するための独特な現実認識を導き出した。以上の考察によって、本稿は、1930年代帝国日本の「不安」言説の越境現象を思想史の文脈で検証した。
|