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物質移動が木質部材の火災後の燃え止まり現象へ及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1844
補助金の研究課題番号 22J13775 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分23020:建築環境および建築設備関連
研究機関京都大学

研究代表者

孫 安陽  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード木質構造部材 / 燃え止まり / 耐火 / 熱物質移動 / 数値解析 / カラマツ / 熱伝導率 / 平衡含水率
研究開始時の研究の概要

木材は、火災加熱を受けると可燃の炭化層と熱分解ガスに分解されて燃焼が発生する。大規模建築物で木材を構造部材として使用する際には、火災の冷却過程中に部材表面の炭化層の燃焼を自ら停止する性能が要求されている。
燃焼には酸素と燃料が必要となるため、炭化層付近の酸素と熱分解ガスなどの物質移動に着目して燃え止まり現象を分析する。木質部材の冷却過程も含む火災全過程での挙動を予測する数値計算モデルを作成し、検証した後にモデルを活用して燃え止まりの発生条件を定量的に予測する。

研究実績の概要

今年度は主に以下の研究を行った。
1.木質部材の火災全過程の挙動解析:令和4年度に作成した解析モデルを改良し、部材の収縮と表面亀裂を考慮した。また、計算で使用する熱伝導率等の物性値は文献調査と実測に基づきモデル化を行った。その後、既往のコーンカロリーメーター(CCM)と小型耐火炉を用いた木質試験体加熱実験の条件に基づいて解析を行い、実測結果と比較した。小型炉実験では、冷却期間中の炉内への給気量が異なる場合でも再現精度が比較的良好であった。CCM実験の場合は加熱時の最大発熱速度や加熱時間が短い時の温度を概ね再現可能であった。
2.表面損傷が燃焼状況に対する影響の検討:木質部材の表面損傷が燃焼状況に対する影響を検討するため、カラマツ集成材試験体のCCM加熱実験を行った。溝を予め加工した4種類の試験体を加熱し、加熱時の温度、発熱速度と実験終了後の炭化面進行を調べた。溝幅が広くなるほど温度上昇や炭化面の進行が激しくなるが、溝幅が同じであれば溝深さの増加による温度上昇や炭化面進行の増加は軽微であった。溝加工により試験体の定常燃焼時の発熱速度は約20%増加した。
3.各種条件が燃え止まりへ及ぼす影響の検討:検証されたモデルを用いて感度解析を行った。耐火試験の条件を基準として、比透気率、含水率などを変更して感度解析を行い、燃え止まり時間を分析した。その結果、初期含水率が高く、熱伝導率が小さい木材は燃え止まり易いことがわかった。比透気率と燃え止まりは最適の数値が存在し、今回の検討条件で最も燃え止まり易い比透気率の数値は1.2×10^-15m2であった。
本研究で提案した計算モデルは木質部材の火災全過程の挙動予測に使用できる。特に標準耐火試験の条件に対して解析の再現精度が良好である。今後は計算モデルの精度の更なる向上を行うことと、より普遍性がある燃え止まり発生条件を導くことについて検討する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 高温加熱後の木材の平衡含水率と伸長率2024

    • 著者名/発表者名
      SUN Anyang、MAKINO Shoma、HARADA Kazunori、NII Daisaku
    • 雑誌名

      日本建築学会環境系論文集

      巻: 89 号: 816 ページ: 57-68

    • DOI

      10.3130/aije.89.57

    • ISSN
      1348-0685, 1881-817X
    • 年月日
      2024-02-01
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Influence of Surface Crack Shape on the Temperature Rise and Burning Behaviour of Wood under Intense Heating2024

    • 著者名/発表者名
      Anyang Sun, Kazunori Harada, Daisaku Nii
    • 学会等名
      13th International Conference on Structures in Fire
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 木質部材の火災全過程の熱物質移動解析モデル2024

    • 著者名/発表者名
      孫安陽、原田和典、仁井大策
    • 学会等名
      日本建築学会大会(関東)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 亀裂を含むカラマツ炭化層の等価熱伝導率のコーンカロリーメーターによる測定2023

    • 著者名/発表者名
      孫安陽、原田和典、仁井大策
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 火災加熱を受ける木質部材の熱物質移動解析モデル2023

    • 著者名/発表者名
      孫安陽、原田和典、仁井大策
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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