• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

うつ病発症メカニズムの解明~遺伝性うつ病Perry症候群を起点に~

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1846
補助金の研究課題番号 22J13982 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分47040:薬理学関連
研究機関京都大学

研究代表者

福井 悠斗  京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードPerry病 / DCTN1 / iPS細胞 / セロトニン神経 / プロジェリン / うつ / うつ病 / 変異導入 / 早老病 / MECP2 / Src
研究開始時の研究の概要

うつ病は、特に先進国における高い生涯罹患率、長い治療期間、QOLへの多大な影響から重大な社会問題となっている。うつ病にはストレスなどの環境要因だけでなく遺伝要因も強く関わっていると考えられている。そこで本研究では、うつ様症状が必ず現れる遺伝性疾患(Perry症候群)の病態メカニズムを解明するともに、遺伝性のうつ病だけでなくうつ病全般の治療にも適応できる新たな抗うつ薬の創出を目指している。

研究実績の概要

前年度までにG67Dの変異をヘテロにノックインしたPerry病モデルマウスの作製に成功していた。これに続いて今年度では、G67Dノックインマウスを通常飼育条件下で加齢させ、6ヶ月齢にて行動表現型を解析した。その結果、G67Dノックインマウスは同腹の野生型マウスと比較して、雌マウスにおけるうつ様行動の増加および雄マウスにおけるストレス脆弱性の増加が認められた。さらに組織学検討では、6ヶ月齢ヘテロノックイン雌マウスにおいてSNドーパミン神経細胞数に変化が見られなかったのに対して、DRNセロトニン神経細胞数は減少していた。
前年度までにプロジェリンを発現したG67DおよびY78C変異iPS細胞においてセロトニン神経細胞数の減少が観察された。これに続いて今年度では、Y78C変異タンパク質のみを特異的にノックダウンできるProbeの作製し、プラスミド混合液および株価細胞の過剰発現実験においてその特異的な作用を確認した。さらにこのProbeセロトニン神経に分化させたiPS細胞にレンチウイルスベクターを用いて導入し、病態表現型として観察されていたセロトニン神経細胞数の減少を改善した。
これらの結果は、細胞老化と変異の相乗的効果によるセロトニン神経変性脱落がPerry病の病態形成に関わることを示唆しいる。
以上、本研究では迅速かつ頑健なセロトニン神経への分化誘導方法を新たに確立し、ヒトiPS細胞およびマウスにPerry病原因変異を導入することで、病態モデルセロトニン神経および病態モデルマウスを作製することに成功した。作製したモデルを解析することで、Perry病におけるセロトニン神経病理を再現し、核酸医薬の有用性を示唆する知見を得た。これらの研究成果は、Perry病の病態解明および治療薬開発に資する基礎的な知見となるものである。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Wild-Type DCTN1 Suppresses the Aggregation of DCTN1 Mutants Associated with Perry Disease2024

    • 著者名/発表者名
      Fukui Yuto、Shirakawa Hisashi、Kaneko Shuji、Nagayasu Kazuki
    • 雑誌名

      Biological & Pharmaceutical Bulletin

      巻: 47 号: 1 ページ: 253-258

    • DOI

      10.1248/bpb.b23-00828

    • ISSN
      0918-6158, 1347-5215
    • 年月日
      2024-01-24
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Perry症候群原因遺伝子変異はセロトニン神経細胞数を減少させる2023

    • 著者名/発表者名
      福井 悠斗、馬場 優志、萩原 雅子、永安 一樹、笠井 淳司、白川 久志、中澤 敬信、橋本 均、金子 周司
    • 学会等名
      第143回薬学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi