研究課題/領域番号 |
22KJ1919
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補助金の研究課題番号 |
22J15905 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 麟稀 (2023) 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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特別研究員 |
伊藤 麟稀 (2022) 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2022年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | R&Dスピルオーバー / 発明者ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、異なる企業の発明者間の相互作用が知識スピルオーバーを促進するという仮説を直接的に検証することを目的としている。特許における共同開発から発明者ネットワークを構築するが、この相互リンクを他社との関係における重みとし、企業データと組み合わせることで調査する。また、人の繋がりに対する効果には非観測情報による内生性の問題があるため、操作変数によって対処する。最後に、知識スピルオーバーが及ぶ範囲にも焦点をあて、空間的集積の要因を探り、技術発展の違いを調査する。
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研究実績の概要 |
本研究では、研究開発(R&D)活動による他社からのスピルオーバー効果をより詳細に探るために、発明者のつながりの重要性と発明者が関与すべき重要なパートナーを探った。過去の研究では、R&D スピルオーバーにて地理的距離や技術的距離に焦点を当てたものが多く、最近では発明者のつながりに着目するものが増えつつあるものの、そこでは発明者の異質性は考慮されていない。本研究では、 1980 年から 2003 年の米国特許を用い、まず共同発明関係に基づく発明者ネットワークを構築し、企業間のつながりの強さを定量化した。次に、発明者ネットワークにおける各発明者の立ち位置(重要度)を計算した。これらの指標のもと、発明者間のつながりが企業の生産性にどのような影響を与えるかを、企業レベルのデータとリンクさせて推定した。また、他企業の R&D活動とネットワーク形成の潜在的な内生性についての懸念に対処するため、操作変数(IV)戦略を用いた。 その結果、発明者を介したスピルオーバー効果は、OLS および IVの各仕様において正に有意であることが明らかになった。また、 OLS によるスピルオーバーの推定値は、先行研究と同様に負のバイアスがかかっていることが確認された。第二に、トップ発明者からのスピルオーバー効果は他の発明者からのスピルオーバー効果を上回り、様々な発明者の橋渡しとなるような発明者が特に重要な役割を果たしていることがわかった。最後に、小規模の企業にとって、他の企業とのつながりを構築することは、大規模の企業以上に不可欠であることが確認された。
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