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家系分析に基づく、アマゴの生活史多様性が創発する個体群動態の安定化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1954
補助金の研究課題番号 22J21175 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分45040:生態学および環境学関連
研究機関京都大学

研究代表者

野田 祥平  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード家系分析 / 生活史変異 / 繁殖成功 / 生態系間の餌資源補償 / SNP / ポートフォリオ効果 / 個体群動態 / アマゴ / 生活史多様性 / SNPs
研究開始時の研究の概要

本研究では、野生のアマゴ個体群を対象に、大規模な野外操作実験と網羅的な家系分析を融合するアプローチで、生活史多様性による個体群動態の安定化メカニズムの成立機序を解明する。
そのために、(1)森林から河川への陸生動物供給(生態系間の餌資源補償)が生み出す多様な生活史は、生活史形質間のトレードオフによって維持され、その結果、いずれの生活史も大差なく繁殖貢献していること、(2)ある生活史の繁殖成功が平均的に低い年に、別の生活史の繁殖成功が平均的に高くなるという、個体数の増減を補償する機構が働き、それが集団全体の個体数変動を安定化することを検証する。

研究実績の概要

種内における生活史多様性は、集団の長期的な安定化や環境変化への適応に寄与することが明らかにされている。そのため、自然環境の中で生活史多様性が維持される仕組みやそれが集団にもたらす影響を理解することは、生態学や進化生物学の重要な課題である。しかし、先行研究では、生活史多様性が自然環境の中でどのように生み出され、それが集団の安定性につながっているのかという全体像の解明には至っていない。
本研究では、野生のアマゴ個体群を用いて、大規模な餌操作実験と遺伝データに基づく家系分析を融合するアプローチにより、自然界で一般的に見られる” 生態系間の餌資源補償”が、野生生物の生活史多様性の創出・維持に寄与し、そして異なる生活史間で繁殖成功を補償し合うことで個体群の安定性につながっている、という一連の仕組みを明らかにする。
この課題に関して、本年度は対象とするアマゴ個体群で取得済みのゲノムワイドなシーケンスデータ(GRAS-Di)を使用し、家系分析のシミュレーションを実施した。このシミュレーションの結果から、コールレートが高く、マイナーアリル頻度の高いSNPsが高精度な家系分析に必要であることを見出し、さらにインフォマティブなSNPsを選抜できた。そして、先進ゲノム支援のご協力のもと、各SNPマーカーに特異的なプライマーを設計し、多検体を安価かつ効率的にジェノタイピングするためのSNPパネルの開発を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アマゴ個体群のSNP情報に基づく家系分析をシミュレーションによって行うことで、高い精度で家系分析を実現するためのSNP抽出条件を検討した。以上で得られた成果は論文にまとめ、学術誌に投稿できている。さらに、アマゴのGRAS-Diデータから取得したインフォマティブなSNPsに対して特異的なプライマーを設計した。これにより、目的とするSNPマーカーのみをPCRで増幅し、高深度にシーケンスを行うことが可能になった。このアンプリコンシーケンス(SNPパネル)を使用することで、次年度は、2000個体を超えるアマゴのジェノタイピングを安価かつ効率的に実施できる。また、アマゴ個体群のモニタリング調査を例年通りに実施できており、新たに個体の生活史データとDNA試料を取得した。これらを踏まえると、本研究は順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

過去8年間で取得した2000 個体を超えるアマゴのゲノムDNAを抽出し、本年度に開発したSNPパネルを使用してジェノタイピングを実施する。これによって得られたシーケンスデータを確立済みの解析手法に沿って処理し、アマゴ個体群の長期の家系構造を再構築する。そして、家系から得られる親子情報から、個体ごとの繁殖成功(次世代に残した子孫の数)を算出し、標識再捕獲データから推定した生残率と掛け合わせることで、各生活史タイプの繁殖成功度を評価する。この結果から、生活史多様性の維持とそれに伴う個体群の安定化の仕組みの検証が可能になる。これらが順調に進捗すれば、当初の計画通りに研究を推進できる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 野生アマゴ個体群における成熟開始年齢の遺伝基盤の探索2024

    • 著者名/発表者名
      野田 祥平、武島弘彦、上田るい、佐藤 拓哉
    • 学会等名
      日本生態学会年会(横浜大会)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Causes and consequences of life-history variation in wild populations: relating individual fitness to population dynamics and local adaptation using a pedigree analysis2022

    • 著者名/発表者名
      野田 祥平, 秋田 鉄也, 武島 弘彦, 佐藤 拓哉
    • 学会等名
      The 38th Annual Meeting of the Society of Population Ecology
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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