研究課題/領域番号 |
22KJ1967
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補助金の研究課題番号 |
22J21776 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青木 基 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スピン軌道トルク / スピンホール効果 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンを始めとした非磁性層状物質と,Fe3GeTe2などの強磁性層状物質のヘテロ構造を作製し,強磁性側へのスピン流注入による磁化制御を目指す.非磁性層としては遷移金属ダイカルコゲナイドの他に,近接効果によりスピン軌道相互作用が増強されたグラフェンも検討する.スピン注入効率の測定手法としては,昨年度までの研究にて立ち上げたスピン注入磁化反転,交流一方向スピン磁気抵抗効果の観測に加え,非局所4端子法でのスピン観測も含めて検討する.
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研究実績の概要 |
昨年度は強磁性体中の電流-スピン流変換に焦点を当てて研究を遂行した.非磁性体/強磁性体2層構造において,強磁性体から非磁性体へのスピン流の流出による「自己誘起スピン軌道トルク」の観測に成功し,スピン軌道トルク磁化反転の高効率化を目指した研究における新たな指針を示すことに成功した.さらに自己誘起スピン軌道トルクは従来のスピン軌道トルクの推定に大きな影響を及ぼすことを明らかにし,特に高抵抗な非磁性材料を扱う際は,自己誘起スピン軌道トルクを適切に考慮に入れる必要があることが分かった.この知見は今後のスピン軌道トルク研究に大きな影響を与えると確信している.本研究はPhysical Review B誌に計算済みである. 続いて上の発見を踏まえ,ワイル強磁性体で巨大な自己誘起スピン軌道トルクが期待されるCo2MnGaを対象に研究を行った.本物質においては隣接金属層が存在しない場合でも自己誘起スピン軌道トルクが観測され,さらにその大きさと符号は結晶方向に大きく依存していた.隣接金属無しでも自己誘起スピン軌道トルクが生じる原因は,基板との格子不整合が与える外部歪に起因することを明らかにした.さらにオーストラリアの理論研究者と協力することで,バンド構造のトポロジーと,外部歪によるそれらの変調が異方性の起源であることを突き止めた.本研究はCMGのような対称性の良い物質でも,格子不整合によるわずかな歪とバンド構造のトポロジーを利用することで巨大な異方性を誘起できることを示している.本成果に関しては論文投稿中である. 後期ではバルセロナの研究グループを訪れ,5カ月半の間2次元強磁性体を対象に研究を遂行した.本研究においても巨大なスピン軌道トルクに加え,その他の新奇物性現象も複数発見された.今後もバルセロナのチームと協力して研究を遂行する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
新奇物質の探索の中で巨大なスピン軌道トルクに加え,トポロジーに起因する異方性や,その他の新奇物理現象が数々発見された.これらの発見は当初の予想外であるが,前者は電流報以降制御によるフレキシブルなスピントルクデバイス,後者は量子計算や超低消費メモリデバイスへの応用が期待でき,今後の発展が見込まれる.従って本研究課題は計画以上に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
バルセロナの渡航で身に着けた2次元物質ヘテロ構造作製技術を生かし,層状物質を対象にスピン軌道トルク,及び物性諸現象を探索する.最初は取り扱いが容易なグラフェンから検討し,段階的に2次元強磁性体や遷移金属ダイカルコゲナイドを取り入れる.
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