研究課題/領域番号 |
22KJ1981
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補助金の研究課題番号 |
22J22428 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村嶋 慶哉 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | SPH法 / 氷衛星 / 状態方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
氷衛星の内部海は液体の水が存在する場所の有力な候補の一つである。液体の水は生命の誕生に必要不可欠な要素の一つであると考えられており、氷衛星の内部構造、特に温度の分布と進化について理解することは重要なことである。 そこで我々は氷衛星の内部海の三次元流体数値シミュレーションを行うことのできる計算コードを開発し、そのコードを用いて氷衛星の内部海の構造・進化の数値シミュレーションを行い、内部海が形成・保持されるための条件や現在の氷衛星の内部構造や熱の循環などを明らかにする。
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研究実績の概要 |
近年の観測により、EuropaやEnceladusといった氷衛星で、氷殻表面の割れ目から水蒸気が噴出していることがわかっている。これは表面の氷殻の下に液体の水の領域(内部海)が存在していることを示唆している。液体の水は化学反応を支える溶媒で、生命の誕生に必要不可欠な要素の一つであると考えられており、氷衛星の内部構造、特に温度の分布と進化について理解することは重要なことである。そこで、内部海の形成・維持に関係している物理過程(潮汐加熱、熱伝導、放射冷却、相転移)を導入した三次元流体数値シミュレーションを行うことのできるSPH法のコードを開発した。この内容に関しては、現在論文を執筆し、投稿作業中である。 また、本年度からSPH法を天王星における巨大衝突のシミュレーションにも適用し、本来の計画からさらに発展させた研究も行なっている。これまでの天王星の巨大衝突の数値計算に用いられてきた状態方程式は統一されておらず、また、形成される周天王星系円盤の物理特性も研究によって異なる結果が得られている。そこで、巨大衝突によって形成される周天王星円盤の物理特性の状態方程式依存性の調査を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SPH法のコードの開発は完了したが、論文の査読・公正に時間がかかっており、計画していた論文の出版には至っていない。 その一方で、開発したコードを天王星における巨大衝突のシミュレーションにも適用し、巨大衝突によって形成される周天王星円盤の物理特性の状態方程式依存性を行っており、総合的に進捗は概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
まず開発したコードの応用として潮汐変形が大きな仮想的な系に適用し、パラメータとして衛星の内部構造、惑星と衛星の質量比、公転軌道の離心率・赤道傾斜角・ 平均半径などを変化させ、大量のパラメータスタディを元に統計的な議論をより詳細に行うことを計画している。 また、天王星の巨大衝突のシミュレーションに関しては、形成される周天王星円盤の物理特性の状態方程式依存性を調べたのち、形成された円盤から衛星が形成される過程を解析的な計算やN体計算を用いて調べることで、巨大衝突から衛星形成までの過程を統合的に議論することを計画している。
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