研究課題/領域番号 |
22KJ1990
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補助金の研究課題番号 |
22J22795 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植松 亮祐 (2023) 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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特別研究員 |
植松 亮祐 (2022) 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2024年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 超巨大ブラックホール / サブミリ波銀河 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、活動銀河核の質量放出現象(アウトフロー)が、銀河と超巨大ブラックホールの共進化に与えた影響を調査することである。具体的にはまず、X線分光撮像衛星(XRISM)を用いて近傍活動銀河核のアウトフローを観測的に捉える。次に、得られた知見をもとに、アウトフローを考慮した多波長スペクトルエネルギー分布(SED)モデルを開発する。その後、多波長SEDモデルを用いて、遠方活動銀河核におけるアウトフローの質量放出率を調査する。最後に、アウトフローの質量放出率と母銀河の星形成率を宇宙の各時代において比較することにより、活動銀河核のアウトフローが共進化に与えた影響を調査する。
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研究実績の概要 |
銀河とその中心に存在する超巨大ブラックホール (SMBH) の共進化は天文学における重要なテーマである。本研究では共進化機構を解明する鍵として、サブミリ 波銀河中の活動銀河核 (AGN) に着目した。サブミリ波銀河とは、サブミリ波帯で明るい銀河の総称であり、遠方で星形成が激しいという特徴を持つ。また、AGNとは、SMBHへの激しい質量降着により、銀河中心が明るく輝く現象である。近年の理論研究によると、銀河合体などにより母銀河の星形成が誘起され、その後AGNが発現する可能性が指摘されている。この過程において、サブミリ波銀河中のAGNは、AGNが発現する段階に相当する。従って、サブミリ波銀河中のAGNを詳細に分析することで、AGNの発現機構や、 共進化機構の解明につながると期待される。
本期間は、COSMOS領域で観測された260のサブミリ波銀河 (AS2COSMOS) について、銀河とAGNの性質を調査した。まず、当該領域のX線観測データを再解析し、X線で明るいAGNを23天体同定した。次に、多波長スペクトルエネルギー分布 (SED) 解析により、24天体のAGNを同定した (SEDAGN; 内、7天体はXAGN)。本研究では、これらのAGNについて、多波長SED解析から求められた母銀河の性質の違いや、X線光度とAGN全光度の比較などを行なった。研究内容は論文にまとめ、現在投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、英国のグループと共同研究を発足し、それを推進した。今年度中の投稿には至らなかったものの、投稿準備はほぼ終わっている。そのため、研究は順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度研究対象とした、AS2COSMOSサンプルは、サブミリ波で特に明るい (S870μm > 1 mJy) サンプルである。従って、本研究の結果がより普遍的なサブミリ波銀河に適用できるかどうかを調べるには、サブミリ波で暗いサンプルについても解析を行う必要がある。そこで次年度は、GOODS領域に着目する。当該領域はCOSMOSと比べて狭いものの、極めて深いサーベイが行われている。この領域で同様の研究を行うことにより、サブミリ波銀河中のAGNの性質を、網羅的に捉えることを目指す。
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