研究課題/領域番号 |
22KJ2008
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補助金の研究課題番号 |
22J23393 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
品田 晃希 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 光学活性 / 空間反転対称性の破れ / 超伝導 / 超伝導エーデルシュタイン効果 / 磁気電気効果 / 軌道磁化 / 熱輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
電場などの外場により金属や磁性体中の電子等は駆動され電流や磁化などの応答を示す。このような応答に対して外場の線形近似を超えた非線形効果を取り入れたものを非線形応答という。一方、固体中の電子は電子相関によって磁性体や超伝導体といった様々な状態に転移する。また相転移点近傍では揺らぎが発達する場合がある。本研究では各相がもつ対称性などの系の性質や相転移に伴う揺らぎなどが非線形応答を含む応答に与える影響を調べることで、強相関系特有の応答を明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
本年度は、空間反転対称性の破れた系に特有な光学応答である光学活性の研究を行った。特に超伝導体を対象に光学活性の性質を研究した。結果として一つの物理公式(総和則)を得ることができた。この総和則は、常伝導相と超伝導相での光学活性のスペクトルを比較してその減少した面積を見積もると、それがある凝縮量に一致することを示す。この凝縮量は超伝導エーデルシュタイン係数と呼ばれ、空間反転対称性が破れた超伝導を特徴づける重要な物理量であるが、提唱されてから30年以上経過した現在でも測定されていない。しかし、本研究によりそれを光学的に観測できることが示され、観測手法の代替案を提案することができたのは意義深い。この結果をまとめ、Physical Review B誌にて出版し、また学会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
固体物理学の中心的テーマである空間反転対称性の破れた超伝導体において、その超伝導転移に伴う応答現象(特に、光学活性)の基本的性質を明らかにした。光学測定によって超伝導エーデルシュタイン係数という重要な物理量の現実的な検出手法を提案できたことは、本研究の課題解明に向けて重要な進展だった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究活動により光学応答の有用性がより明らかになった。磁性体などの他の電子系の相転移現象・臨界現象の効果を取り入れ、さらに光学現象の理解を深めていく。
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