• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

脳グリア細胞の老化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2043
補助金の研究課題番号 20J01264 (2020-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2020-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分49030:実験病理学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

松平 竜之  大阪大学, 大阪大学微生物病研究所, 特別研究員(CPD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2023年度)
配分額 *注記
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード細胞老化 / ミクログリア / 加齢 / 老化 / 中枢神経 / EAE / 神経炎症
研究開始時の研究の概要

神経変性疾患の最も大きなリスク要因は加齢そのものであるが、加齢に伴う脳機能の低下および神経変性疾患の発症および増悪のメカニズムは未だ十分にわかっていない。申請者は細胞が修復不能なDNA損傷を受けた際に不可逆的に増殖停止する現象「細胞老化」に着目し、加齢に伴う脳の炎症や機能低下における脳細胞の細胞老化の寄与、およびその因果関係を明らかにすべく、特に脳内で増殖可能な細胞集団の一つであるグリア細胞に注目して研究を進めている。

研究実績の概要

近年の平均寿命の延伸に伴い、認知症などの神経疾患を発症する高齢者が急増しており、現在大きな社会問題となっている。また疾患発症までいかずとも、高齢になると記憶力や判断力が低下することが報告されているが、加齢に伴い脳の機能低下が生じるメカニズムについては依然不明な点が多く、その抑制は未だ実現できていない。
申請者の所属研究室では「細胞老化」という現象に着目し研究してきた。細胞老化とは、「放射線照射や活性酸素種の蓄積などによって修復不能なDNA損傷が生じた結果、細胞増殖が不可逆的に停止する現象」であり、長い間、がん抑制機構の一つとして考えられてきた。しかし近年では、細胞老化を起こした細胞(老化細胞)が炎症性サイトカインなどを分泌して慢性的な炎症を惹起し、組織の機能低下やがんの進展を促すことが明らかになっている。このことから、脳においても加齢に伴い老化細胞が蓄積し、慢性炎症を生じさせることで、脳の機能低下がもたらされているという可能性を考えている。
近年、加齢や疾患時に脳の支持細胞であるグリア細胞の性質が大きく変化し、脳機能の破綻を促すことが明らかになりつつある。申請者はこれまでに高齢マウスの脳に細胞老化を起こしたミクログリア、すなわち「老化ミクログリア」が出現することを見出した。さらに、ミクログリアの細胞老化が抑制されたKOマウスでは実験的自己免疫性脳脊髄炎の表現型が減弱すること、また蓄積のメカニズムについて、常在細菌が関与することを明らかにし、ミクログリアの細胞老化の意義とメカニズムの一端を論文として報告した。
本研究活動によって、加齢に伴う脳の機能低下の抑制のための新たな着眼点、すなわちミクログリアの細胞老化現象の詳細を明らかにできた。ミクログリアの研究の益々の発展によって、未だ有効な治療法のない加齢性の神経疾患や脳の機能破綻を防ぐような未来の医療の足がかりとなることが期待される。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Cellular senescence in white matter microglia is induced during ageing in mice and exacerbates the neuroinflammatory phenotype2023

    • 著者名/発表者名
      Matsudaira Tatsuyuki、Nakano Sosuke、Konishi Yusuke、Kawamoto Shimpei、Uemura Ken、Kondo Tamae、Sakurai Koki、Ozawa Takaaki、Hikida Takatoshi、Komine Okiru、Yamanaka Koji、Fujita Yuki、Yamashita Toshihide、Matsumoto Tomonori、Hara Eiji
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 6 号: 1 ページ: 665-665

    • DOI

      10.1038/s42003-023-05027-2

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi