研究課題/領域番号 |
22KJ2064
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補助金の研究課題番号 |
21J20563 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
香川 佳之 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 人工金属酵素 / ヘムタンパク質 / ミオグロビン / シトクロムP450 / ポルフィセン / ポルフィリン / C-H結合アミノ化反応 / シクロプロパン化反応 / 鉄錯体 / 鉄 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、次世代医薬品や微生物を利用した物質生産への応用の観点から、細胞内で機能する触媒開発が模索されている。その候補として人工金属酵素が注目されているが、細胞内反応に応用できる系は限られている。そこで本研究では、細胞内反応への応用を指向した位置・立体選択的なC-H結合官能基化反応を促進する人工金属酵素の開発を目指す。具体的には、人工金属錯体とヘムタンパク質を組み合わせ、それぞれの構造を最適化し、高選択的な人工金属酵素を開発する。さらに、人工金属酵素を細胞内へと導入し、細胞内での物質変換反応を試みる。従来の触媒では困難な高い位置・立体選択性の制御を可能にし、自在な細胞内物質変換法の開拓を図る。
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研究実績の概要 |
本研究では、ヘムタンパク質の補因子のヘムを人工補因子へと置換する再構成法により、ヘムタンパク質を基盤とした高難度反応を促進する人工金属酵素の開発とその細胞内反応への応用を目的とした。具体的には、C-H結合アミノ化反応とアルケンのシクロプロパン化反応に着目し、人工金属酵素の開発に取り組んだ。 C-H結合アミノ化反応では、ミオグロビンのヘムを鉄ポルフィセン錯体に置換した再構成ミオグロビン(rMb(FePc))が高い触媒能を示し、そのkcat値は天然ミオグロビン(nMb)の約4倍であった。更に、タンパク質構造としてシトクロムP450BM3を使用し、機械学習を用いた変異体スクリーニングにより、2,4,6-トリエチルベンゼンスルホニルアジドを基質とする反応の触媒回転数がrMb(FePc)と比較し、約12倍向上した。 アルケンのシクロプロパン化反応では、酸化還元電位に着目してミオグロビンの補因子を改変し、反応性を評価した。nMbのヘムを、ポルフィリン環のピロールのβ位にトリフルオロメチル基を2つ導入した鉄ポルフィリン錯体に置換し、再構成ミオグロビン(rMb(FePor(CF3)2))を調製した。nMbと比較し、rMb(FePor(CF3)2)の酸化還元電位は約100 mV正にシフトした。種々のシクロプロパン化反応で、rMb(FePor(CF3)2)とnMb、および低い酸化還元電位を示すrMb(FePc)とを比較すると、酸化還元電位が高いミオグロビンほど高収率で生成物を与えた。反応機構解析のための種々の実験の結果、rMb(FePc)を用いた反応ではイオン的な反応機構を示唆し、rMb(FePor(CF3)2)ではラジカル的な反応の進行を支持した。 本研究で得られた結果は、人工金属酵素の合理的設計法の確立に寄与し、将来的に細胞内反応系へ展開されることが大いに期待される。
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