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損傷リソソーム応答の連携を担うTRIM21の作用機構とその生理学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2086
補助金の研究課題番号 21J21647 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分43030:機能生物化学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

小倉 もな美  大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードリソソーム / リソソーム損傷応答 / ミクロオートファジー / ESCRT / 老化 / 損傷リソソーム応答
研究開始時の研究の概要

生体分子の分解を担う細胞小器官であるリソソームは、取り込んだ物質によりしばしば損傷を受け、炎症応答や細胞死を惹起する有害な存在へと変貌する。細胞はこれに対処すべくリソソーム損傷応答と呼ばれる機構を有し、細胞の恒常性を維持している。本応答は修復、除去、生合成など複数の経路から構成されるが、それらの詳細な制御機構に関してはほとんど明らかとされていない。また、損傷リソソームの蓄積を伴うことが知られている神経変性疾患などの種々の疾患や老化におけるリソソーム損傷応答の役割は不明である。そこで本研究では、リソソーム損傷応答の新規制御因子同定とその作用機序解析、ならびに生理学的意義の解明を目指す。

研究実績の概要

生体分子の分解を担う酸性オルガネラ・リソソームは取り込んだ多様な物質によりしばしば損傷を受け、炎症や細胞死を誘導する有害な存在へと変貌する。これに対し、細胞はリソソーム損傷応答と総称される複数の機構を駆使し細胞の恒常性を維持しているが、その制御機構はほとんど解明されていない。また、リソソーム損傷の蓄積が神経変性疾患をはじめとする加齢性疾患や老化に寄与することが明らかとなりつつあるが、これら疾患や老化におけるリソソーム損傷応答の役割は不明である。以上より、リソソーム損傷応答の制御機構とその生理学的意義の解明を研究目的とした。
本研究では、これまでに取得したリソソーム損傷応答の新規制御因子候補からTRIM21とSTK38というタンパク質に着目し、各種リソソーム損傷応答への寄与を評価した。さらにSTK38については、その機能ならびに老化における役割を解析した。その結果、STK38が膜の切り離しを担うタンパク質複合体、ESCRTのリソソーム膜へのリクルートを介し、細胞内分解システムの一つ、ミクロオートファジーによるリソソーム修復(ミクロリソファジー)を誘導していることを明らかとした。また、本因子が老化過程でのリソソームの恒常性維持に寄与し、老化抑制や寿命延長に重要であることも明らかとした。
最終年度である本年度は、このSTK38によるミクロリソファジー制御の詳細な作用機序解析を実施し、キナーゼであるSTK38がアダプタータンパク質であるDOK1のリン酸化を介しESCRTのリクルートを制御していることを明らかとした。
本研究成果はリソソーム損傷応答の全容解明、さらにリソソーム損傷を伴う疾患の新規治療ターゲット創出に資するものである。また、本研究はリソソーム損傷応答が老化に対して防御的な役割を持つ可能性を示し、分子生物学的アプローチからの老化メカニズム解明に繋がることが期待される。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Microautophagy regulated by <scp>STK38</scp> and <scp>GABARAPs</scp> is essential to repair lysosomes and prevent aging2023

    • 著者名/発表者名
      Ogura Monami、Kaminishi Tatsuya、Shima Takayuki、Torigata Miku、Bekku Nao、Tabata Keisuke、Minami Satoshi、Nishino Kohei、Nezu Akiko、Hamasaki Maho、Kosako Hidetaka、Yoshimori Tamotsu、Nakamura Shuhei
    • 雑誌名

      EMBO reports

      巻: 24 号: 12

    • DOI

      10.15252/embr.202357300

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Protocols to monitor TFEB activation following lysosomal damage in cultured cells using microscopy and immunoblotting2022

    • 著者名/発表者名
      Ogura Monami、Shima Takayuki、Yoshimori Tamotsu、Nakamura Shuhei
    • 雑誌名

      STAR Protocols

      巻: 3 号: 1 ページ: 101018-101018

    • DOI

      10.1016/j.xpro.2021.101018

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] リソソーム損傷応答の分子機構とその生理学的意義2023

    • 著者名/発表者名
      小倉 もな美、上西 達也、志摩 喬之、鳥形 未来、別宮 尚、南 聡、西野 耕平、根津 亜季子、濱崎 万穂、小迫 英尊、吉森 保、中村 修平
    • 学会等名
      第23回日本蛋白質科学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Microlysophagy is essential to repair lysosomes and prevent aging2023

    • 著者名/発表者名
      Ogura Monami、Kaminishi Tatsuya、Shima Takayuki、Torigata Miku、Bekku Nao、Tabata Keisuke、Minami Satoshi、Nishino Kohei、Nezu Akiko、Hamasaki Maho、Kosako Hidetaka、Yoshimori Tamotsu、Nakamura Shuhei
    • 学会等名
      Keystone Symposia Autophagy and Disease
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ミクロオートファジーによる損傷リソソーム修復の新規メカニズムと老化における役割2022

    • 著者名/発表者名
      小倉もな美, 南聡、志摩喬之、根津亜季子、上西達也、濱崎万穂、小迫英尊、吉森保、中村修平
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Novel mechanism to repair damaged lysosomes by microautophagy and its role in aging2022

    • 著者名/発表者名
      Monami Ogura, Satoshi Minami, Takayuki Shima, Akiko Nezu, Tatsuya Kaminishi, Maho Hamasaki, Hidetaka Kosako, Tamotsu Yoshimori, Shuhei Nakamura
    • 学会等名
      The 10th International Symposium on Autophagy
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 損傷リソソーム応答で働く新規制御因子の同定とその作用機序解明2021

    • 著者名/発表者名
      小倉もな美、南聡、志摩喬之、上西達也、吉森保、中村修平
    • 学会等名
      第44回 日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] 実験医学2023年7月号2023

    • 著者名/発表者名
      中村 修平
    • 出版者
      羊土社
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 生体の科学第73巻第3号2022

    • 著者名/発表者名
      小林 妙子
    • 総ページ数
      95
    • 出版者
      医学書院
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] 実験医学2021年8月号2021

    • 著者名/発表者名
      小松 雅明
    • 総ページ数
      139
    • 出版者
      羊土社
    • ISBN
      9784758125468
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-12-25  

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