研究課題/領域番号 |
22KJ2090
|
補助金の研究課題番号 |
21J22197 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
後藤 倫 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2023年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2022年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2021年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 代数力学系 / 複素力学系 / モジュライ空間 / 不変式論 / 代数幾何学 / 乗数写像 / 代数的対応 / 一変数有理関数 / 力学系 / モジュライ / 乗数 / 不変式 / 周期点 / 終結式 / 組み合わせ論 |
研究開始時の研究の概要 |
一変数関数について、その繰り返しによってどのような現象が起きるかは力学系の研究の主題である。次数を固定した有理関数で与えられる力学系たちは、有限次元の分類空間をなす。力学系に対して普遍的に考えられる操作に応じて、分類空間上での操作が定まる。与えられた性質を持つ力学系を探す「逆問題」に対して、力学系の分類空間の構造の特定と、その分類空間上で定まる、性質を抽出する操作を用いて考察する。
|
研究実績の概要 |
今年度は、前年度までに行った不変式論的な考察を応用して、3次有理関数のパラメータ空間上の乗数関数の単射性問題の肯定的な解決を得て、プレプリントとして発表した。この結果自体はHutz-Tepperによる計算結果の修正としても発表していたが、手法としてよりパラメータ空間全体の形状を明確にした。また、3次有理関数の乗数写像について、計算上でいくつか予測しなかった現象が起きていることが明らかになった。 4次以上の有理関数のパラメータ空間上の乗数写像の単射性が、より解析的な手法を用いてJi-Xieによって得られ、既に知られたMilnor,Silvermanの2次有理関数での結果と合わせて、目標の1つとしていたMcMullenによる乗数写像の有限性証明の改良として予想されてきた単射性問題が肯定的に解決されたことになる。本研究は、その解決に資することができたといえる。 期間内に行った研究の全体として、1変数有理関数や代数的対応のなす力学系のモジュライ空間を、座標変換による同一視を不変性として不変式論的に取り扱い、その上で団代数的な技術を用いることで乗数関数についての複素Lefschetz公式についての不変式論的な解釈を得ることができた。また、不変式論的な性質から、有理関数だけでなく代数的対応を力学系と見た際の乗数写像についても、その具体的な数え上げの上限を計算することができるようになった。一方で、多変数関数についての同様の方法による計算については、不変式論的な課題が残る結果となった。
|