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リソファジーの新規評価系の開発及び分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2105
補助金の研究課題番号 22J00913 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分43030:機能生物化学関連
研究機関奈良県立医科大学 (2023)
大阪大学 (2022)

研究代表者

志摩 喬之  奈良県立医科大学, 医学部, 助教

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードリソソーム / オートファジー / リソソーム損傷応答機構 / リソファジー / ユビキチン / リソソーム損傷応答経路 / オートファジー受容体タンパク質
研究開始時の研究の概要

現在、複数の経路が損傷リソソーム修復に関わることが報告されている。従ってリソファジーの分子機構を理解する上で、その活性を特異的に検出できる新規評価系は不可欠であり、それを用いた新規因子の網羅的探索と、解析が必須である。本研究では、①蛍光タンパク質mKeimaを用いた新規リソファジー評価系を開発し、②それを用いたsgRNAおよびsiRNAによる網羅的スクリーニングと、その候補因子の解析をおこなうことで、リソファジーの分子機構の解明に突破口を開くことを目的とする。さらには個体に対して開発した新規評価系を導入し、細胞で得られた分子機構の知見に基づき、③リソファジーの生理的意義の解明を試みる。

研究実績の概要

多数の加水分解酵素を含むリソソームは、細胞内外の物質の分解を担うオルガネラである。リソソームは細胞内外の様々な因子 (シリカ、酸化ストレス、尿酸結晶など)によって損傷を受けることが報告されているが、リソソームの内容物が細胞質に放出されることは、炎症、酸化ストレスなどを惹起し、細胞に害を及ぼす。
近年、損傷したリソソームの膜修復や除去に働く「リソソーム損傷応答経路」が複数見出された。その中の一つ、損傷したリソソームをオートファジーによって選択的に隔離する「リソファジー」も、細胞の恒常性維持において重要な役割を有する。しかしながら、損傷リソソームの認識機構や、リソファジーを駆動するタンパク質やその挙動の実態といった、リソファジーの分子機構に関する知見は未だ乏しい。
これまではリソファジーの定量的測定法として、損傷リソソームマーカーGalectin3の輝点形成及びその消失を指標に、損傷リソソームのクリアランスを計測していた。しかしながら従来の評価法ではリソファジーと他の損傷応答経路を区別することができない。
本研究では、pHにより励起波長が変化する蛍光タンパク質mKeimaを用い、リソファジーを評価するためのプローブを開発した。従来のアッセイ法と比較し、本プローブがよりリソソファジーを特異的に検出できることを実験的に証明した。加えて、このプローブを用いて、TFEBとp62がリソソーム損傷応答には重要であるが、リソファジーには重要ではないことを示した。さらに、このプローブを用いたミニスクリーニングにより、ユビキチン化に関与する因子UBE2L3、UBE2N、TRIM10、TRIM16、TRIM27がリソファジーに重要だということを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度は、mKeimaを用いることで新規リソファジー評価系の構築に成功した。この新規評価系は従来の評価系と比べて、よりリソファジー特異的なアッセイ法である。本年度では、この新規プローブの詳細な評価をおこない、これまでリソファジーに機能すると考えられていたTFEBとp62が、リソファジーではなく、他の損傷応答経路に機能しうることを見出し、加えてリソファジーに重要なオートファジックアダプターの同定に成功した。さらに、リソファジーの初期段階に機能する因子(UBE2L3、UBE2N、TRIM10、TRIM16、TRIM27)の同定に成功した。以上のことから、本研究は概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後は、開発した新規プローブの、他のモデル生物への導入を試みる。
加えて今回同定した新規因子の詳細な解析を進めることで、リソファジーの分子メカニズムの解明を試みる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] HKDC1, a target of TFEB, is essential to maintain both mitochondrial and lysosomal homeostasis, preventing cellular senescence2024

    • 著者名/発表者名
      1.Cui, M., Yamano, K., Yamamoto, K., Yamamoto-Imoto, H., Minami, S., Yamamoto, T., Matsui, S., Kaminishi, T., Shima, T., Ogura, M., Tsuchiya, M., Nishino, K., Layden B., Kato, H., Ogawa, H., Oki, S., Okada, Y., Isaka, Y., Kosako, H., Matsuda, N., *Yoshimori, T., *Nakamura, S.
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 121 号: 2

    • DOI

      10.1073/pnas.2306454120

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The TMEM192-mKeima probe specifically assays lysophagy and reveals its initial steps2023

    • 著者名/発表者名
      Shima Takayuki、Ogura Monami、Matsuda Ruriko、Nakamura Shuhei、Jin Natsuko、Yoshimori Tamotsu、Kuma Akiko
    • 雑誌名

      Journal of Cell Biology

      巻: 222 号: 12

    • DOI

      10.1083/jcb.202204048

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Lysophagy protects against propagation of α-synuclein aggregation through ruptured lysosomal vesicles2023

    • 著者名/発表者名
      Kakuda Keita、Ikenaka Kensuke、Kuma Akiko、Doi Junko、Aguirre Cesar、Wang Nan、Ajiki Takahiro、Choong Chi-Jing、Kimura Yasuyoshi、Badawy Shaymaa Mohamed Mohamed、Shima Takayuki、Nakamura Shuhei、Baba Kousuke、Nagano Seiichi、Nagai Yoshitaka、Yoshimori Tamotsu、Mochizuki Hideki
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 121 号: 1

    • DOI

      10.1073/pnas.2312306120

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Microautophagy regulated by <scp>STK38</scp> and <scp>GABARAPs</scp> is essential to repair lysosomes and prevent aging2023

    • 著者名/発表者名
      Ogura Monami、Kaminishi Tatsuya、Shima Takayuki、Torigata Miku、Bekku Nao、Tabata Keisuke、Minami Satoshi、Nishino Kohei、Nezu Akiko、Hamasaki Maho、Kosako Hidetaka、Yoshimori Tamotsu、Nakamura Shuhei
    • 雑誌名

      EMBO reports

      巻: 24 号: 12

    • DOI

      10.15252/embr.202357300

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] mKeimaを用いたリソファジー特異的なアッセイ系の確立2022

    • 著者名/発表者名
      志摩 喬之 , 久万 亜紀子 , 吉森 保
    • 学会等名
      第74回日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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