研究課題/領域番号 |
22KJ2107
|
補助金の研究課題番号 |
22J01411 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 (2023) 大阪大学 (2022) |
研究代表者 |
齋藤 大蔵 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 蠕虫 / 生体内イメージング / 好酸球 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
多様な感染症の中でも、蠕虫感染症は病原体のサイズが免疫細胞と比べて数万倍であるという点で特別である。細菌やウイルスに対する免疫反応は貪食等の免疫細胞と病原体の1:1の反応で説明できる部分が多いが、圧倒的に巨大である蠕虫に対する反応は免疫細胞集団としてのチームワークが必須であると推測される。本研究は生体内イメージング技術を活用することで、蠕虫に対する免疫細胞集団のチームワークを可視化するものである。
|
研究実績の概要 |
蠕虫の生体内イメージングにあたり、まずは蠕虫側の遺伝子組み換え技術が不可欠だと判断した。このため、生体内観察の理想的なモデルであるボーグ中殖条虫の遺伝子組み換え技術の開発に着手する次第となった。理想的には蠕虫の卵細胞を分離して、組み換えを行いたかったが、卵細胞を分離するためには成虫化が必要であり、これにはイヌの感染実験が必要となるため現時点では実質的に成虫化は困難であり、まずは本虫の幼虫に対してRNAiを用いた遺伝子発現抑制系を立ち上げることとした。そのためにまず、肝蛭で用いられているRNAi系を応用し、特定遺伝子群の遺伝子発現抑制が可能かを評価した。結果、遺伝子発現抑制が認められた。また、改変技術の基礎としてボーグ中殖条虫の初代培養細胞を用いた実験系の樹立を試みた。結果、初代培養した本虫由来の細胞を1カ月程度継続して培養することが可能となり、また、併せて本初代培養細胞株で使用可能な発現ベクターの開発にも着手した。ベクターには恒常的に発現する遺伝子およびそのプロモーターを用いるのが理想だが、本虫の分子生物学的研究は少数であり、どういった遺伝子のプロモーターを用いるのがよいか不明であったため、まずこれを明らかにすることとした。そのために、複数の形態におけるbulk RNA seqのデータにおいて安定して発現している遺伝子の候補をいくつか挙げて、それぞれの遺伝子のプロモーター活性を調べることとした。現在はこれらのプロモーター領域を組みこんだ発現ベクターをそれぞれ作成し、安定した遺伝子発現がおこるかを評価している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述のとおり、いったん生体内イメージングそのものではなく、観察に供するための虫側の遺伝子発現操作に着手したため、イメージング研究の系は少し滞っているが、おおよそ全体の進行に影響するものではなく、おおむね順調に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は安定した遺伝子発現抑制系を用いて、免疫細胞との相互関係を調整している候補である遺伝子群をスクリーニング的に発現抑制し、フェノタイプの変化を確認しつつ、これらの虫を生体内イメージングに用いる。併せて、免疫細胞との相互関係を樹立した初代培養細胞系を用いて評価する。
|