研究課題/領域番号 |
22KJ2117
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補助金の研究課題番号 |
22J10537 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田畑 裕 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 触媒化学 / 二酸化炭素 / CO2資源化 / ホルモース反応 / 生物工学 / バイオものづくり / バイオ生産 / コリネ型細菌 / アルドール反応 / DFT計算 / 化学反応ネットワーク / 自己触媒反応サイクル / システムケミストリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、CO2を炭素源として糖を化学合成する触媒の開発を行う。糖の化学合成は、農業に依存しない新しい食料生産システムの構築に向けた技術として注目されている。しかし、従来知られている触媒では競合反応や生成物の分解により数十種類にも及ぶ物質が非選択的に得られ、収率が大幅に低下するという課題があった。そこで本研究では、こうした収率低下の主因の一つが塩基性条件にあることに着目し、中性条件下で触媒作用を持つ触媒の開発および反応条件の最適化を行う。
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研究実績の概要 |
触媒化学的な糖の合成は、CO2還元を起点とするホルムアルデヒドの生成、そしてホルムアルデヒドを基質とした糖生成反応(ホルモース反応)の2つのプロセスの統合により達成される。しかし、後段プロセスのホルモース反応で従来用いられる塩基触媒では、系内の水酸化物イオンが引き起こす副反応のために糖生成の選択性が向上し得ないという課題があった。そこで本研究では、こうした副反応の抑制が可能な中性条件下でホルモース反応を進行させる触媒の探索を行った。その結果、金属オキソ酸塩触媒を用いることで、中性条件下において糖生成反応が進行することを明らかにし、また当初の狙い通り、当該反応における大幅な選択性の向上を達成した。これらの結果は論文にまとめられ、英国王立化学会が発行する国際学術雑誌「Chemical Science」に掲載された。さらに本研究成果の応用展開として、触媒反応により得られた糖を基質とするバイオ物質生産にも取り組んだ。コリネ型細菌をモデル微生物として種々の条件検討を行った結果、合成糖液に含まれる生育阻害因子を明らかにするとともに、当該微生物による合成糖液を基質とした乳酸の生成に成功した。これは、触媒化学的に合成された糖を基質としてバイオ物質生産が行われた初めての例である。また重要なことに、乳酸は解糖系の末端であるピルビン酸を経由して生成する。したがって野生株における乳酸の生成は、非天然な合成糖を基質として解糖系を経由したあらゆるバイオ物質生産が可能なことを意味する。本結果は、Wiley-VCHが発行する国際学術雑誌「ChemBioChem」に掲載された。
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