研究課題/領域番号 |
22KJ2121
|
補助金の研究課題番号 |
22J10710 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 佳祐 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 外骨格生物 / カブトムシ / クワガタムシ / 脱皮 / 形態形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本補助期間では、カブトムシの成虫角形成において明らかになった「接着と収縮」による形態形成メカニズムの普遍性について研究を行う。 すでに、別の甲虫であるクワガタムシについてはモデルが適用可能であることを確認しているが、さらに他の完全変態昆虫、不完全変態昆虫、節足動物へとモデルが適用可能か調べる。また、以前明らかにした「折り畳みと展開」と組み合わせることで、どのような形が再現可能になるか、明らかにする。
|
研究実績の概要 |
前年までの研究により、蛹の角が成虫の角に変形する際に寄与している因子(先端~腹側の接着、細胞シートの不均一な収縮、体積の減少)を生物実験・観察により同定することと、それを反映させたコンピュータシミュレーションを作成することができた。それらの結果は、プレプリントとして昨年度、発表した。 今年度は、論文の査読の対応をしながら、シミュレーション結果の類似性の定量的評価、シミュレータの改良を主に行った。まず、シミュレーション結果の評価に関しては、表面積、内腔体積、断面の形状を近位部/遠位部で別々に評価することで、シミュレーションによりできた形状が成虫に似ていることを客観的に示した。同様の方法で、パラメータ変化時の形態への影響を定量的に評価することで、各因子が形状決定にどのように・どの程度影響するのかも明らかにできた。 また、シミュレーションの改良に関しては、元の数式中の体積減少を反映した項と平滑化を表現した項を、エネルギー計算の中に入れることで、単純なエネルギー最小化計算でも、同様に成虫角形状を再現できることを示した。これにより、成虫様の角を再現できることだけでなく、特定のエネルギーを考えた時に成虫角形状が安定な状態であることも分かった。これらの評価方法や計算の改良は、本研究を他の生物に適用する際に役立つと考えられる。 研究期間全体では、蛹の角が成虫の角になるremodelingにおいて、上皮シートが蛹のクチクラと先端~腹側にかけて接着していること、上皮細胞シートが不均一な収縮を起こすことを、観察とRNAi実験により明らかにした。さらに、これらの要素を考慮したコンピュータシミュレーションでremodelingを再現できることを示し、各要素が形態に与える影響を評価した。同様の計算でオオクワガタの大顎のremodelingも再現できることから、ある程度メカニズムに普遍性があることが分かった。
|