研究課題/領域番号 |
22KJ2138
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補助金の研究課題番号 |
22J11421 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 玖美子 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 夫婦関係 / 親密性 / ジェンダー / 感情作業 / Web調査 / インタビュー調査 / フェミニズム正義論 / ケア / 夫婦 / 感情 / 混合研究法 / ペア・データ |
研究開始時の研究の概要 |
1990年代以降の共働き夫婦の増加と男女共同参画の推進のなかで、ジェンダー規範の再考や対等なパートナーシップの形成が重要な課題として認知されつつある。本研究の目的は、夫婦関係の「モヤモヤとした悩み」を手がかりとして、感情面でのやりとりにもとづく夫婦の親密な関係の現状とジェンダーとの関連を明らかにすることである。 具体的には、Web調査から日本の夫婦関係の類型化を試みるとともに、妻たちへの質的調査から日常の一見些細な出来事や社会的背景のなかで、夫婦関係の実態を子細に把握する。これらの分析・考察をとおして、親密な関係という点から日本社会での夫婦間のジェンダー平等の実現に向けた課題と展望を示す。
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研究実績の概要 |
2023年度は昨年度得たデータをもとに分析・考察および学会発表・論文執筆を進めた。 第一に、Web質問紙調査のデータ(既婚の男女計1159人)について、「感情作業」得点を従属変数とした2変量でのクロス集計やEricson(2005)のモデルにもとづく男女別の重回帰分析を行った。その結果、日本の感情作業をめぐる夫婦関係の実態の一部が明らかにできた。分析結果と考察をまとめ、2024年度の投稿をめざして論文1本を執筆中である。また、この結果をふまえて改良した質問紙を用いて、夫婦ペアでのデータを収集した。このペア・データでも同様の感情作業に関する仮説の検証を進め、個人単位だけでなく夫婦単位での感情作業の実態を明らかにできた。 第二に、長期的なパートナーシップをめざす20~30代のカップル10組への半構造化インタビュー調査から得られたペア・データを用いて、日常的なカップルの感情面での相互行為について「うれしかったこと」や「けんかしたこと」などの語りから質的分析を行った。その結果について、関西社会学会大会で口頭発表を行った。カップル間の日常的なコミュニケーションのプロセスと関係調整の実態、およびそこでめざされている関係性について明らかにした論文を2本執筆し、今後投稿する予定である。 第三に、夫婦の親密な関係における感情面での対等性について、「フェミニズム正義論」(有賀 2011)に着目する理論論文を執筆し、日本女性学会大会で口頭発表を行ったのち、日本女性学会の機関誌『女性学』に掲載された。 そのほか、家族問題研究学会でも先行研究レビューにもとづいた口頭発表を行った。以上の各研究内容の知見を統合し、現代日本における夫婦の親密性モデルの特徴を論じ、成人間の親密な関係における感情面での対等性とジェンダー平等について総合的な考察を行った。その内容をまとめた論文を執筆し、今後投稿予定である。
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