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神経系ヒストンバリアントによる寿命延長メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2165
補助金の研究課題番号 22J13562 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

塩田 達也  大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード老化 / 寿命 / 線虫 / オートファジー / 神経
研究開始時の研究の概要

線虫C. elegansなどのモデル生物を用いた解析によって、生物の老化・寿命は積極的に制御された生命現象の一つであることが分かりつつあり、これまでにインスリン/IGF-1シグナルや生殖細胞除去など、進化的に保存された寿命延長経路が複数同定されてきた。我々は以前、特定の転写因子複合体がこれらの経路で共通して働き、生物の寿命制御の鍵となることを見出している。さらに最近、本因子の神経系での活性化が組織間のシグナルに影響を及ぼし、全身の老化を制御していることを見出した。しかし、その下流のメカニズムは未だ不明なままであり、本研究ではこのシグナルカスケードの詳細解明を目指す。

研究実績の概要

線虫C. elegansなどのモデル生物を用いた解析により、生物の老化・寿命は積極的に制御された生命現象の一つであることが分かりつつあり、これまでにインスリン/IGF-1シグナルや生殖細胞除去など、進化的に保存された寿命延長経路が複数明らかにされてきた。転写因子MML-1/MXL-2複合体はこれらの経路で共通して必須であり、寿命制御の鍵となりうることが最近明らかになってきた。長寿個体においてMML-1/MXL-2は全身レベルで活性化され、オートファジーの活性化を介して寿命延長に寄与している。しかしながら、どの組織のMML-1/MXL-2の働きがどのように寿命制御に関与しているかは分かっていない。また、MML-1/MXL-2によるオートファジーの活性化、ならびに寿命の延伸がどのような下流メカニズムを介しているかも十分に理解されていなかった。そこで、本研究ではMML-1/MXL-2が寿命制御に寄与する重要組織を特定し、その下流メカニズムを明らかにすることを目的とした。
まず我々は、線虫を用いたMML-1/MXL-2の組織特異的な解析を行い、神経系におけるMML-1/MXL-2の活性化が寿命延長に重要な働きを担うことを見出した。次に、この寿命制御の下流メカニズムを明らかにするために、神経特異的mml-1/mxl-2ノックダウン線虫のトランスクリプトーム解析を実施し、神経系MML-1/MXL-2がグルタミン酸トランスポーター(GLT-5)の転写制御を行うことで寿命延長に寄与していることを明らかにした。さらに、神経系MML-1/MXL-2-GLT-5軸が遠位組織のオートファジーやペルオキシダーゼMLT-7の活性を制御することにより寿命延長に寄与していることを明らかにした。これらの結果から、神経系MML-1/MXL-2を起点として組織間コミュニケーションを介したオートファジー・寿命制御ネットワークが存在することが示唆された。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Neuronal MML-1/MXL-2 regulates systemic aging via glutamate transporter and cell nonautonomous autophagic and peroxidase activity2023

    • 著者名/発表者名
      Shioda Tatsuya、Takahashi Ittetsu、Ikenaka Kensuke、Fujita Naonobu、Kanki Tomotake、Oka Toshihiko、Mochizuki Hideki、Antebi Adam、Yoshimori Tamotsu、Nakamura Shuhei
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 120 号: 39

    • DOI

      10.1073/pnas.2221553120

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 転写因子MML-1/MXL-2による組織間コミュニケーションを介した寿命制御機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      塩田達也, 高橋一徹, 池中健介, 神吉智丈, 岡敏彦, 望月秀樹, Antebi Adam, 吉森保, 中村修平
    • 学会等名
      第46回日本基礎老化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 神経系MML-1/MXL-2による組織間コミュニケーションを介した寿命制御機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      塩田達也, 高橋一徹, 池中健介, 神吉智丈, 岡敏彦, 望月秀樹, Adam Antebi, 吉森保, 中村修平
    • 学会等名
      第75回日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 神経系MML-1/MXL-2による組織間コミュニケーションを介した寿命制御機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      塩田達也, 高橋一徹, 池中健介, 藤田尚信, 神吉智丈, 岡敏彦, 望月秀樹, Adam Antebi, 吉森保, 中村修平
    • 学会等名
      第15回 オートファジー研究会 若手の会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 線虫ATG-18の非オートファジー機能による寿命制御機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      塩田達也, 高橋一徹, 吉川治孝, 小迫英尊, 吉森保, 中村修平
    • 学会等名
      第15回 オートファジー研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] MML-1/MXL-2による組織間コミュニケーションを介した寿命制御機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      塩田達也, 池中健介, 神吉智丈, 岡敏彦, 望月秀樹, Antebi Adam, 吉森保, 中村修平
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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