研究課題/領域番号 |
22KJ2168
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補助金の研究課題番号 |
22J13951 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原 隆文 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 加速器 / サイクロトロン共鳴 / 陽子加速器 / 自動サイクロトロン共鳴加速法 |
研究開始時の研究の概要 |
世界に先駆けて陽子CARA加速器を実現するため、プロトタイプの電子CARA加速器の開発を行う。補助事業期間中は、回転するTE111モードの共振空洞の、高周波パワーの入力機構の開発、性能試験を行い共振空洞の実性能を調べる。その後、ソレノイドコイル磁場中に共振空洞を設置し、電子銃から入射した電子を加速し、ビームの質や量、電力効率を調べることで、定在波のCARAシステムの性能を明らかにする。
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研究実績の概要 |
自動サイクロトロン共鳴加速法を用いた陽子加速器開発に向けた、電子加速によるテストベンチの開発を行った。昨年度は、自動サイクロトロン共鳴加速法に必要な、磁場の形成、電場を励振させるための共振空洞の製作、回転電場を発生させるための回路の設計、加速粒子である電子を発生させるための電子銃を製作した。今年度は、共振空洞に電力を供給するための入力カプラーの製作とネットワークアナライザによる静特性試験、電子銃の入力機構の設計開発、各機器の真空のリークテストなど、テストベンチによる電子加速に向けた機器の試験、調整を行った。 共振空洞のカプラーの製作は、シミュレーションの結果をもとにカプラーの形状を決定した。回転電場を形成するため、この共振空洞では、2つの入力カプラーを用いて2か所から、互いに位相が4分の1波長分の位相差がある状態で、同じ周波数の高周波を入力する必要がある。そのため、2つの入力カプラー(ポートA、ポートbとする)を共振空洞に取付けて,ポートA、ポートBのそれぞれのポートでパワーを入力した際の静特性試験を行ったところ、ポートA、ポートBでインピーダンス整合するRFの周波数が0.5%ズレていることが分かった。各ポートにおけるインピーダンス整合する高周波の周波数のバンドは5 MHz以下であるため、これでは同じ周波数の高周波を、A、Bそれぞれのポートに入力した際、どちらか片方のポートから入力したパワーは、共振空洞に蓄えられ電場を励振するが、もう片方のポートに入力されたパワーは、反射され共振空洞にパワーを入力することができず電場を励振することができないため、このままでは回転電場を形成することができないが分かった。このため、今後の研究においては、回転電場を形成するための共振空洞の工作精度の向上及び、安定した回転電場の形成するための手法の開発を目指す。
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