研究課題/領域番号 |
22KJ2176
|
補助金の研究課題番号 |
22J14602 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩田 友果 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2023年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2022年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | ASD / HFA / NGS / パネル解析 / 自閉スペクトラム症 / CNTNAP2 / MEG |
研究開始時の研究の概要 |
診断閾下自閉スペクトラム症(診断閾下ASD)は,ASDの診断基準を部分的に満たし,コミュニケーションに困難を抱えやすい。思春期以降に特性が顕在化し,いじめや不適応行動などの問題が生じることも多い。そこで,診断閾下ASDを早期に発見する客観的指標が必要である。 ASDと同様に,診断閾下ASDにはASD関連遺伝子の関与が想定される。一方,生物学的中間表現型として脳画像も有用視されている。脳磁図は脳活動時に伴う磁場の変化を非侵襲的に捉え,脳内ネットワークの機能的結合を定量評価できる。そこで,ASD関連遺伝子・社会的相互反応・脳内ネットワーク結合の関連を解析し,診断閾下ASDを早期発見する指標を見出す。
|
研究実績の概要 |
当該年度は、自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder: ASD)の遺伝的変異とASDに関連する遺伝的変異と言語発達、社会的反応性、知能指数などの特性との関係を調べるために、ターゲットパネルによる次世代シーケンシング技術(Next Generation Sequencing: NGS)を取り入れたASD児及び定型発達児のゲノム解析を行なった。日本人ASD(主に高機能自閉症(high-functioning autism: HFA))児32名と定型発達(Typically Development)児36名を対象とし、NGSを用いてこれまでに報告されているASD関連遺伝子を探索し、自閉的特性と知能指数との関連を検討した。 その結果、遺伝子型―表現型解析において、SCN1AとSCN2Aを含む40のバリアントがASD/TDの表現型と関連していた(χ2 = 18.8―5.80, p = 1.45×10-5―0.016)。特にSCN1Aの10バリアントは、ASDの頻度と強い関連を示した(FDRs < 0.05 (q = 2.8×10-3―0.02)) 。 本結果は、これらのバリアントがHFAの遺伝的構造に関係することを示唆し、Frontiers in Geneticsに受理された(Association of Genetic Variants with Autism Spectrum Disorder in Japanese Children Revealed by Targeted Sequencing, doi:10.3389/fgene.2024.1352480)。乳幼児の唾液中白血球・頬粘膜細胞などの微量検体からゲノムDNAを抽出し、塩基配列を決定するという実験技術の困難さを克服し、今後より大きなコホートでHFAの遺伝的構造を解明するための基盤を確立した。
|