研究課題/領域番号 |
22KJ2186
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補助金の研究課題番号 |
22J20391 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 隼平 大阪大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | IoT / センサネットワーク / コラボレーション / 協調学習 / ウェブサービス / ハイフレックス / Ultra Wide Band / 無線位置測位 / 話者検出 |
研究開始時の研究の概要 |
グループ会議やグループ学習をはじめとする共同作業のパフォーマンス向上を目指して、これまでヒューマンインタラクションが定性的に分析されてきたが、分析には多大なる人的・時間的コストを要していた。本研究では、ヒューマンインタラクション分析の更なる効率化を目的として、より高精度にユーザや作業環境の様子を自動抽出する新たなIoTシステムを提案・実装する。開発システムを学習科学の研究者とともに実環境の1つである学習現場に導入して分析コストの低減を検証すると同時に、システムに関する改良点をフィードバックすることで実環境に応用可能なIoTシステムの完成を目指す。
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研究実績の概要 |
分析専門家にとってのアクセシビリティを考慮したIoTシステムやオフライン環境のみならずオンライン環境を交えたハイブリッド型のインタラクションに関する研究を行い、査読付き国際学会で1件、国内学会で1件の発表を行った。当該研究成果は、当初の年次計画において令和4年度に予定していた「無線通信機能を有するIoTデバイス群の設計および実装」の一部に相当する。国際会議では自身の発表を通じて、インタラクション分析にIoTシステムを広く展開するうえで従来の定性的なインタラクション分析においてキーとされてきた言語データを同時収集すること、分析専門家らがIoTシステムを容易に導入することができるよう民生デバイスを用いることが求められるという知見を得た。国内学会では、遠隔地にあるIoTデバイス同士を光ファイバ無線で接続することで低遅延かつ高精度な遠隔地同士のインタラクションを抽出するIoTシステムについて発表を行った。 加えて、インタラクション分析をサポートしうる一技術としてUltra Wide Band (UWB) を用いた高精度位置測位についての研究を行い、国内学会で4件の発表を、国際会議に向けて1件の投稿を行った。当該研究成果は、当初の年次計画において令和5年度に予定していた「ユーザや作業環境に関するセンサ情報の抽出および可視化」の一部に相当する。上記の研究発表を通じて、従来の設置コストの高いデバイスを配置することなく低遅延かつ高精度な位置測位を達成する手法を提案した。本技術をインタラクション環境に導入することで人や物体のトラッキングを通じたインタラクションの容易な分析を実現することができると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の変更やアップデートはあるものの、プロジェクト全体として各研究項目が達成されつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度では、当初予定していたIoTデバイス群の設計・実装をスマートフォンで代替して実現することとし、研究計画として掲げていた「無線通信機能を有するIoTデバイス群の設計および実装」を民生デバイスで達成すると同時に「学習科学の知見に基づいたシステムの改良及び完成」を目指す。研究方針の変更にあたっては、報告者が令和5年度に参加した国際会議International Conference on Quantitative Ethnographyでのディスカッションが大きく影響している。会議でのディスカッションを通じて、インタラクション分析への応用を図るうえでシステムのアクセシビリティを高めることが不可欠であること、オリジナルのデバイスではなく既に出回っているデバイスでの実装がシステム展開の観点で求められることを学んだ。上記の要件を満たすべくスマートフォンでのアプリケーション実装を通じて上記の計画を達成する。学習科学の知見に基づいたシステムの改良では、Human-Centred Computingを専門とするコペンハーゲン大学のDaniel Spikol准教授とディスカッションを行いながら学習分析をサポートするIoTシステムの完成を目指す。
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