研究課題/領域番号 |
22KJ2198
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補助金の研究課題番号 |
22J20603 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
Alizadehkolagar Seyedmehrzad 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 不可逆損失 / トポロジー最適化 / エントロピー生成 / 細孔連結モデル / 燃料電池 / フロー電池 / 数理最適化 / 非平衡熱力学 |
研究開始時の研究の概要 |
化石燃料資源の枯渇や化石燃料の大量使用による環境問題が懸念され,拡大するエネルギー需要を満たすため,新エネルギーへの転換が求められている.水素が注目され,固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)を用いた高効率発電が期待されている.PEFCは高出力密度,迅速な起動,低い動作温度といった特徴を持つため,自動車用動力源や分散型電気・熱供給源など,さまざまな用途での利用が進められている.PEFCの高性能化を目指しており,そのために不可欠な触媒層の微細構造制御に向けた研究をする.
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研究実績の概要 |
本研究は、燃料電池や二次電池などの電気化学デバイスの電極における「不可逆損失の最小化」のための理論の確立を目指しています。昨年の研究を継続し、電気化学発電システムの電極内の材料分布を最適化するための「混合トポロジー最適化」手法を提案しました。燃料電池の電極内のエントロピー生成を評価するためのエントロピー生成解析モデルを開発しました。電極構造の最適化前後のエントロピー生成挙動を比較し、最適化プロセスによる改善をエントロピー生成解析に基づいて説明しました。さらに、カナダのWaterloo大学のJeff Gostick准教授との共同研究で、レドックスフロー電池の電極最適化のための新規手法を提案しました。最適化は、細孔連結モデル(Pore Network Modeling)とメタヒューリスティクス最適化アルゴリズムに基づいています。提案された枠組みは、レドックスフロー電池の細孔構造を細孔レベルで最適化するため、成功裏に用いられました。研究成果は、ジャーナル論文や複数の国内外の会議で発表されました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の目的は、電気エネルギーデバイスにおける反応輸送のための最適な多孔質構造を見つけ、エントロピー生成解析による性能向上を説明することです。これまでに、巨視的モデルや細孔連結モデル(Pore Network Modeling, PNM)などの各種モデリング手法と、トポロジー最適化やメタヒューリスティクスアルゴリズムなどの最適化手法を組み合わせてきました。燃料電池の性能モデルを開発し、電極構造を最適化し、国内外の学会で発表しました。さらに、PNMをレドックスフロー電池のシミュレーションに利用しました。このモデルを遺伝的アルゴリズムと統合することで、電極の性能を向上させました。この研究成果は、いくつかの学術論文や学会発表の形で発表しました。また、研究協力により、より効率よく研究を行うことができるようになりました。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、細孔連結モデル(Pore Network Modeling)の改良を行い、他の輸送現象とより複雑な反応過程を組み込むことで研究を進める予定です。また、最適化アルゴリズムの改良を行い、大規模モデルへの最適化を実施する予定です。さらに、固体高分子形燃料電池(PEFC)向けのエントロピー生成モデルを用いて、多孔質電極の最適構造の解明を継続していきます。さらに、研究成果は、複数の学術論文や学会発表で発信する予定があります。
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