研究課題/領域番号 |
22KJ2217
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補助金の研究課題番号 |
22J22119 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 航平 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 疾患モデルマウス / 社会性 / RNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(以下、自閉症)の主症状の一つとして社会性障害が挙げられるが、その分子病態は不明な点が多く残されている。本研究では、独自に作成した自閉症モデルマウスを用いて、社会性障害との関連が示唆される前帯状皮質に着目し、社会行動時に活動する神経細胞が形成する神経回路や単一細胞レベルでの特異的な遺伝子発現を解析することにより、社会性制御のメカニズム、および自閉症の分子病態の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(以下、自閉症)の主症状の一つとして社会性障害が挙げられるが、その分子病態には不明な点が多く残されている。脳はヘテロな細胞集団の集合体であり、自閉症の分子病態の解明には、特定の脳機能の発現に重要な少数細胞集団の特性を個別に理解することが重要である。当研究室では、独自に作成した自閉症モデルマウスであるPOGZ変異マウスを用いた全脳神経活動イメージング解析により、社会行動後に前帯状皮質領域のごく少数の神経細胞が過剰に活動していることを見出しており、この神経細胞集団と社会性障害との関連が示唆される。そこで本年度は、POGZ変異マウスの前帯状皮質において、社会行動時に活動している神経細胞の特性を明らかにすることを目的とした検討を実施し、主に以下の成果を得た。 ①Fiber Photometry法により、社会性行動試験実施下での前帯状皮質領域の興奮性神経細胞の活動をリアルタイムに計測した。その結果、POGZ変異マウスでは、前帯状皮質領域の細胞の神経活動が過剰であり、各社会性行動の開始に対する神経活動のレスポンスが障害されていることが明らかになった。 ②前年度の検討によって見出した、POGZ変異マウスにおける異常活動神経のマーカー遺伝子のプロモーター制御下にCreを発現する遺伝子改変マウスを用いて、DREADD法による特定の神経細胞種の神経活動操作を実施したところ、活動が低下している神経細胞の神経活動を活性化することにより、POGZ変異マウスの社会性障害が改善することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
POGZ変異マウスにおいて、社会性行動時に活動が障害されている前帯状皮質神経細胞の特徴を明らかにしたことに加え、当該神経細胞種特異的な活動操作が社会性改善作用を示すことを明らかにしたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに明らかにした、POGZ変異マウスで活動が障害されている神経細胞種の発達とPOGZの機能低下との関連性を明らかにするべく、網羅的RNA発現解析やin situ hybridization法などの手法を用いた検討を実施する予定である。
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