研究課題/領域番号 |
22KJ2252
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補助金の研究課題番号 |
22J00592 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
桑田 威 神戸大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 炎症性腸疾患 / 自己抗体 / インテグリン |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis: UC)は、世界的に増加傾向にある難治性疾患で、病態解明を目指して多くの研究がなされてきたが、確固たる病因は不明である。申請者らは、UC患者において非常に高い感度・特異度を示し、病態と関与する可能性のある抗インテグリンαVβ6自己抗体を発見した。本研究では下記の検討により、抗αVβ6自己抗体のUC診断における有用性検討と、UCの病態メカニズムを解明し、新規治療薬開発へと繋げることを目的とする。 ① UC診療における抗αVβ6自己抗体測定の有用性の検討 ② 抗αVβ6自己抗体の病原性の検証と病態解明 ③ 抗αVβ6自己抗体が治療標的となる可能性の検証
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研究実績の概要 |
潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis: UC)は、世界的に増加傾向にある難治性疾患で、病態解明を目指して多くの研究がなされてきたが、確固たる病因は不明である。本研究では下記の検討により、抗インテグリンαvβ6自己抗体のUC診断における有用性検討と、UCの病態メカニズムを解明し、新規治療薬開発へと繋げることを目的とする。 ① UC診療における抗インテグリンαvβ6自己抗体測定の有用性の検討② 抗インテグリンαvβ6自己抗体の病原性の検証と病態解明③ 抗インテグリンαvβ6自己抗体が治療標的となる可能性の検証 ① UC診療における抗インテグリンαvβ6自己抗体測定の有用性の検討:難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班にご協力いただき、症例集積を行なった。UC 1241例、クローン病796例、その他腸疾患 206例で解析を行い、抗インテグリンαvβ6自己抗体がUC患者において感度・特異度ともに非常に高い結果であった。引き続き、疾患活動性や再燃リスクなどとの相関について解析する予定である。 ② 抗インテグリンαVβ6自己抗体の病原性の検証と病態解明:インテグリンαvβ6をアジュバントとともに免疫することでマウスモデルを確立するため、条件検討を行なった。昨年度と同様、抗インテグリンαvβ6抗体が産生されることは確認できたが、UC様の大腸病変は誘導されなかった。引き続きインテグリンαvβ6免疫による条件検討を行うとともに、患者由来モノクローナル抗体を作成して受動免疫も行う予定である。 ③ 抗インテグリンαvβ6自己抗体が治療標的となる可能性の検証:申請者らは、UC患者の抗インテグリンαvβ6自己抗体がインテグリンαvβ6とフィブロネクチンとの結合阻害作用があることを見出した。患者由来モノクローナル抗体を作成して結合阻害作用を有するかを確認するとともに、この作用とUCの病態との関連を解析することで治療標的となり得るか評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
① UC診療における抗インテグリンαvβ6自己抗体測定の有用性の検討:難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班にご協力いただき、症例集積を行なった。UC 1241例、クローン病796例、その他腸疾患 206例で解析を行い、抗インテグリンαvβ6自己抗体がUC患者において感度・特異度ともに非常に高い結果であった。 ② 抗インテグリンαVβ6自己抗体の病原性の検証と病態解明:インテグリンαvβ6をアジュバントとともに免疫することでマウスモデルを確立するため、条件検討を行なった。昨年度と同様、抗インテグリンαvβ6抗体が産生されることは確認できたが、UC様の大腸病変は誘導されなかった。引き続きインテグリンαvβ6免疫による条件検討を行うとともに、患者由来抗体の受動免疫についても検討するため、モノクローナル抗体作成を開始した。 ③ 抗インテグリンαvβ6自己抗体が治療標的となる可能性の検証:申請者らは、UC患者の抗インテグリンαvβ6自己抗体がインテグリンαvβ6とフィブロネクチンとの結合阻害作用があることを見出した。患者由来モノクローナル抗体が作成できれば結合阻害作用を有するかを確認する予定である。
②において、インテグリンαvβ6をアジュバントとともに免疫したマウスで抗インテグリンαvβ6抗体が産生されることを確認できたが、UCと同様の大腸病変は誘導されず、患者由来モノクローナル抗体を作成して受動免疫も検討する予定とした。また③においても患者由来モノクローナル抗体の評価も追加する予定とした。その他については概ね当初の予定通り進展できている。
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今後の研究の推進方策 |
① UC診療における抗インテグリンαvβ6自己抗体測定の有用性の検討:集積した症例において、疾患活動性や再燃リスクなどとの相関について解析する予定である。 ② 抗インテグリンαVβ6自己抗体の病原性の検証と病態解明:。昨年度と同様、抗インテグリンαvβ6抗体が産生されることは確認できたが、UC様の大腸病変は誘導されなかった。引き続きインテグリンαvβ6免疫による条件検討を行うとともに、患者由来モノクローナル抗体を作成して受動免疫も行う予定である。 ③ 抗インテグリンαvβ6自己抗体が治療標的となる可能性の検証:申請者らは、UC患者の抗インテグリンαvβ6自己抗体がインテグリンαvβ6とフィブロネクチンとの結合阻害作用があることを見出した。患者由来モノクローナル抗体を作成して結合阻害作用を有するかを確認するとともに、この作用とUCの病態との関連を解析することで治療標的となり得るか評価を行う。
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