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アクセシブル増強磁場を有する高屈折率誘電体メタサーフェスの開発と光化学反応場応用

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2262
補助金の研究課題番号 22J10942 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分28030:ナノ材料科学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

長谷部 宏明  神戸大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードメタサーフェス / トロイダル双極子共鳴 / S-T遷移 / 磁気双極子遷移 / ナノアンテナ / 誘電体メタサーフェス / 磁気双極子繊維 / 光と物質の相互作用
研究開始時の研究の概要

本研究では本来スピン禁制である一重項三重項間の励起を増強することで、今までよりも低エネルギーで光化学反応を引き起こすプラットホームの開発を目的とする。高屈折率誘電体ナノ構造による電磁場閉じ込め効果を利用し、磁場増強場を形成する。このことで、これまで利用が難しかった光の周波数領域における磁場による物質の相互作用を引き起こし、この構造上において、今まで間接的な励起が行われてきた一重項-三重項間遷移の直接励起確率を大幅に増強する。このようなスピン反転遷移直接励起に焦点を当てた新規光化学反応プラットホームとしての実証を行う。

研究実績の概要

本研究はアクセシブルな磁場増強を有するメタサーフェスの開発とそれを光化学反応プラットホームとして応用することを目的としている。ここではメタサーフェス上の分子の励起三重項のエネルギー移動による光化学反応を用いる。メタサーフェスの磁場増強により分子の禁制遷移であるS-T励起確率の増強し、本来必要であるS-S励起エネルギーよりも小さいエネルギーで光化学反応が促進されることを示す。採用期間を通じて以下のことに取り組んだ。
初年度~
(1)本研究ではシリコンナノディスクの六方格子配列を用いた。FDTD計算により、直径/高さの比が大きいときに発現するトロイダル双極子モードを用いることで磁場増強場を最大化できることを見出した。ナノディスク間のモードカップリングによって更に大きな磁場増強が得られることを明らかにした。(2)計算結果をもとに、ナノスフィアリソグラフィによってメタサーフェスを作製した。作製したメタサーフェスの透過スペクトルとシミュレーション結果と比較することで、設計通りの構造が作製できていることを明らかにした。
最終年度~
(3)光化学反応プラットホームとして、上記作製したメタサーフェスと光増感剤の複合構造の作製プロセス開発を行った。メタサーフェス上にアミノ基を修飾し、分子中のカルボキシル基とアミド結合を形成することで直接修飾を試みた。吸光度測定及び発光測定から、そのプロセスによって複合体が作製できていることを明らかにした。(4)光化学反応として一重項酸素を生成し、DPBF分子の脱色反応の促進を示した。上記作製したメタサーフェス上で励起波長を変えながらDPDF分子の脱色レートを比較したところ、共鳴波長でレートが促進されていることを示した。また、本来必要であるS-S励起エネルギーより400 meV小さいエネルギーにおいて光化学反応が促進したことを実証した。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Photosensitizing Metasurface Empowered by Enhanced Magnetic Field of Toroidal Dipole Resonance2023

    • 著者名/発表者名
      Hasebe Hiroaki、Sugimoto Hiroshi、Katsurayama Yoshino、Furuyama Taniyuki、Fujii Minoru
    • 雑誌名

      Small

      巻: 19 号: 42 ページ: 2302519-2302519

    • DOI

      10.1002/smll.202302519

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Toroidal Dipole-Induced Photocurrent Enhancement in Si Nanodisk Hexagonal Array below the Band Gap2022

    • 著者名/発表者名
      Hasebe Hiroaki、Moriasa Keisuke、Yamashita Kaito、Sugimoto Hiroshi、Fujii Minoru
    • 雑誌名

      ACS Photonics

      巻: 9 号: 10 ページ: 3302-3309

    • DOI

      10.1021/acsphotonics.2c00660

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Enhancing Forbidden Transition in Molecules by Toroidal Dipole Metasurface for Novel Photochemical Reactions2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Hasebe, Hiroshi Sugimoto, Minoru Fujii
    • 学会等名
      MRS spring meeting
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 誘電体メタサーフェスによる分子のS-T吸収と光反応への応用2023

    • 著者名/発表者名
      長谷部 宏明, 杉本 泰, 古山 渓行, 藤井 稔
    • 学会等名
      2023年光化学討論会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] "シリコンナノディスクアナポールメタサーフェスによる狭帯域近赤外吸収"2022

    • 著者名/発表者名
      長谷部 宏明、森朝 啓介、杉本 泰、藤井 稔
    • 学会等名
      PICS研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Enhancement of photosensitizing activity of ruthenium complex by resonant dielectric nanodisk array2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Hasebe、Hiroshi Sugimoto、Minoru Fujii
    • 学会等名
      応用物理学会秋季学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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