研究課題/領域番号 |
22KJ2322
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補助金の研究課題番号 |
22J00749 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
愛葉 由依 (2023) 広島大学, 人間社会科学研究科, 特別研究員(PD)
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特別研究員 |
愛葉 由依 (2022) 広島大学, 人間社会科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 医療人類学 / トラウマ / 放射線被害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、放射線被害と避難・移住・転居に伴うトラウマの分野横断的な理論モデルの創出、本知見の臨床現場への還元を目指すものである。 その目的を達成するために、国内外(東京、大阪、新潟、北海道、広島、長崎、アメリカ、カナダ、韓国、台湾、オーストラリア、イギリス、オーストリア、オランダなど)に移住・避難した、広島・長崎の原爆被爆者、福島・チェルノブイリ原発事故等の核被害者への聞き取り調査・現地調査を継続して行なう。その調査によって得られた原発事故被害者と原爆被爆者の事例について、精神医学や心理学などによる知見も踏まえつつ、医療人類学の視点から総合して考察・分析する。
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研究実績の概要 |
昨年度同様、受入教員の松嶋健先生のゼミに参加し、同ゼミの院生とともに学びながら、一昨年度提出した博士論文の論考をブラッシュアップし、「放射線被害を受けた人々のトラウマに関する医療人類学的研究」を進めてきた。今年度は、その成果をまとめ、学術図書『原爆被爆者の暮らしとトラウマ:絡み合いを描きだす』(単著)を春風社より刊行した。さらに、広島で開かれる“A Conversation with Annemarie Mol: Eating in Theory, Hiroshima, and Translation”において“Reconsidering the logic of PTSD:Cases of A-bomb survivors who live coping with their trauma”というタイトルで英語での研究発表を行なうため、これまでの成果をまとめるとともに、原爆被爆者や放射線被害に遭った人びとのトラウマに関する英語論文の執筆に向けた準備も進めている。 これらと並行して、これまで聞き取り調査を行なってきた原爆被爆者の記憶と関連する地を私自身がめぐり歩くことで、彼らのトラウマと関連し得る記憶をたどり直す実践も行なってきている。この実践の途中経過については、立教大学 人文研究センター主催 公開シンポウム「Hiroshimaを伝える:海外メディアと被爆者の証言」や、2023年度みんぱく若手研究者奨励セミナー「歩くことと戦争の記憶の継承」において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの成果をまとめ、学術図書『原爆被爆者の暮らしとトラウマ:絡み合いを描きだす』(単著)を春風社より刊行したことに加え、広島で開かれる“A Conversation with Annemarie Mol: Eating in Theory, Hiroshima, and Translation”において“Reconsidering the logic of PTSD:Cases of A-bomb survivors who live coping with their trauma”というタイトルで英語での研究発表のために、これまでの成果を英語でとりまとめることもできたから。 これらと並行して、立教大学 人文研究センター主催 公開シンポジウム「Hiroshimaを伝える:海外メディアと被爆者の証言」や、2023年度みんぱく若手研究者奨励セミナー「歩くことと戦争の記憶の継承」において研究発表することにも積極的に取り組んだから。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、原爆被爆者や放射線被害に遭った人びとのトラウマに関するフィールドワークを進めるとともに、その研究成果について、国際ジャーナルに英語で論文を投稿すべく、引き続き松嶋先生のもとで学び、論考を深めていきながら、執筆を進めていく計画である。 また、立教大学 人文研究センター主催 公開シンポジウム「Hiroshimaを伝える:海外メディアと被爆者の証言」や、2023年度みんぱく若手研究者奨励セミナー「歩くことと戦争の記憶の継承」において発表した際にフロアから得たコメントや新たな視座を踏まえながら、引き続きフィールドワークを重ねたうえで、投稿論文を執筆し、発表することを計画している。
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