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ニワトリにおける新規神経ペプチドを介した脂質代謝調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2331
補助金の研究課題番号 22J14515 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分42010:動物生産科学関連
研究機関広島大学

研究代表者

加藤 正暉  広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード視床下部 / 神経ペプチド / ウズラ / 脂肪 / ニワトリ / ペプチドホルモン / 脂肪蓄積
研究開始時の研究の概要

鳥類の視床下部で発見されたNeurosecretory protein GL(NPGL)、Neurosecretory protein GM(NPGM)は新規の神経ペプチドであり、ニワトリにおいて脂肪蓄積を促進する作用があることを見出している。昨年度は、鳥類のウズラにおいてもNPGLとNPGMの遺伝子が存在することを見出すことに成功し、NPGLが脂肪蓄積作用を持つことを明らかにした。そこで本年度もウズラを用いて投与実験、遺伝子発現解析、行動学的解析を用いてNPGL及びNPGMの個体レベルでの作用メカニズムの解明に取り組む予定である。

研究実績の概要

研究代表者は、新規の視床下部分泌性因子neurosecretory protein GL(NPGL)及びneurosecretory protein GM(NPGM)が脂肪蓄積を促進する因子であることをニワトリのヒナを用いた解析によって明らかにしている。そこで、NPGLとNPGMが鳥類の新しい脂質代謝調節因子であると考え、中枢から末梢組織への作用メカニズムに着目した。
前年度までは、研究対象をニホンウズラに変更したことを受けて、NPGL及びNPGMの前駆体遺伝子の同定から行い、ニワトリと高い相同性を有することを明らかにした。また、雌雄における遺伝子発現量を定量PCRで解析した結果、NPGLには雌雄差があり、NPGMには雌雄差が見られなかった。絶食実験を行った結果、雌雄でNPGL及びNPGMの応答性に差が見られた。さらに、ウズラの脳室内に有機化学合成したNPGLを13日間の投与した結果、摂食量及び脂肪の蓄積が促進することを明らかにした。
最終年度では、NPGMの脳室内への投与をウズラのメスに対して13日間行った。その結果、摂食量と体重に変化は見られなかったが、脂肪組織が増加し、卵巣の成熟が遅延することを明らかにした。ウズラは渡り鳥であり、日照時間の変化を刺激として脂肪の蓄積を行うことが知られている。そこで、日照時間が減少する環境下での、NPGLとNPGMの遺伝子発現量の変動を解析した。その結果、日照時間の減少に対して、NPGLの遺伝子発現量が雌雄共に増加することが認められた。一方、NPGMの遺伝子発現量は、雌雄共に変化は認められなかった。
本研究を通じて、NPGL及びNPGMの作用メカニズムの解明という目的に対して、関連性の高い組織や環境要因を明らかにすることができた。NPGLとNPGMの作用は、家禽の繁殖や食肉生産に貢献する新たな知見をもたらすことが期待できる成果となった。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Expression of mRNAs Encoding Hypothalamic Small Proteins, Neurosecretory Protein GL and Neurosecretory Protein GM, in the Japanese Quail, Coturnix japonica2024

    • 著者名/発表者名
      Kato Masaki、Iwakoshi-Ukena Eiko、Narimatsu Yuki、Furumitsu Megumi、Ukena Kazuyoshi
    • 雑誌名

      Zoological Science

      巻: 41 号: 1 ページ: 50-59

    • DOI

      10.2108/zs230070

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ニホンウズラにおける新規神経ペプチドNPGMの生理機能解析2024

    • 著者名/発表者名
      加藤正暉、岩越栄子、古満芽久美、浮穴和義
    • 学会等名
      令和5年度日本動物学会中国四国支部広島県例会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Novel hypothalamic factor, neurosecretory protein GM, induces fat accumulation in Japanese quail2024

    • 著者名/発表者名
      Masaki Kato, Eiko Iwakoshi-Ukena, Megumi Furumitsu, Kazuyoshi Ukena
    • 学会等名
      International Symposium on Avian Endocrinology (ISAE2024)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ウズラにおける新規分泌性小タンパク質NPGMをコードする遺伝子の同定2023

    • 著者名/発表者名
      加藤正暉、岩越栄子、古満芽久美、浮穴和義
    • 学会等名
      第94回日本動物学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 日照時間の変化がニホンウズラの視床下部分泌性小タンパク質の遺伝子発現に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      加藤正暉、岩越栄子、古満芽久美、浮穴和義
    • 学会等名
      第47回鳥類内分泌研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ウズラにおける視床下部分泌性小タンパク質の遺伝子発現解析2023

    • 著者名/発表者名
      加藤正暉, 岩越栄子, 古満芽久美, 浮穴和義
    • 学会等名
      日本動物学会中国四国支部広島県例会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Two Novel Hypothalamic Factors, Neurosecretory Protein GL and Neurosecretory Protein GM, Cause Fat Accumulation in Layer Chicks2022

    • 著者名/発表者名
      Masaki Kato, Eiko Iwakoshi-Ukena, Megumi Furumitsu, Kazuyoshi Ukena
    • 学会等名
      12th International Symposium on Avian Endocrinology (ISAE2022)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ICR系統マウスでの視床下部分泌性小タンパク質NPGL遺伝子過剰発現により誘起される糖尿病状態2022

    • 著者名/発表者名
      加藤正暉, 成松勇樹, 森脇翔悟, 中尾ゆきの, 古満芽久美, 岩越栄子, 浮穴和義
    • 学会等名
      第93回日本動物学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 卵用鶏における視床下部分泌性小タンパク質の生理機能解析2022

    • 著者名/発表者名
      加藤正暉, 岩越栄子, 古満芽久美, 浮穴和義
    • 学会等名
      日本家禽学会2022秋季大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ICR系統マウスにおける低脂肪・高炭水化物食給餌下での分泌性小タンパク質NPGLの膵臓への作用2022

    • 著者名/発表者名
      加藤正暉, 成松勇樹, 森脇翔悟, 岩越栄子, 古満芽久美, 浮穴和義
    • 学会等名
      第46回日本比較内分泌学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ウズラにおける視床下部分泌性小タンパク質NPGLの前駆体遺伝子の同定と生理機能解析2022

    • 著者名/発表者名
      加藤正暉, 岩越栄子, 古満芽久美, 浮穴和義
    • 学会等名
      第46回鳥類内分泌研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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