研究課題/領域番号 |
22KJ2347
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補助金の研究課題番号 |
22J22756 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
恒川 舜 山口大学, 大学院創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 水分解触媒 / マンガン酸化物 / X線吸収分光 |
研究開始時の研究の概要 |
低炭素社会に向けて、水の電気分解に再生可能エネルギーを用いることでCO2を排出しない水素製造が注目されている。低炭素社会を実現するためには、水素製造コスト削減の観点から、安価で豊富な遷移金属を用いた水分解触媒の開発が重要である。効率の良い水分解触媒の開発には、水分解反応機構の理解が不可欠である。オペランドXAS測定は、触媒反応中の触媒の電子状態や構造を明らかにすることができる。そこで本研究では、マンガン触媒による水分解反応において、オペランドXAS測定と多重散乱理論などによる理論計算によって触媒の活性種を明らかにし、触媒構造の制御により高効率化を目指す。
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研究実績の概要 |
太陽光等の再生可能エネルギーを利用して水素という化学エネルギーキャリアへの変換・活用を目指す水素社会の実現にあたって、二酸化炭素の排出を伴わない水の電気分解による水素製造技術の推進が求められている。水の電気分解過程において、酸素生成反応は水素生成反応に比べてより高い過電圧を必要とするため、酸素生成触媒の研究及び開発が進められている。特に、高価な貴金属ベースの触媒は水分解活性に優れているが、経済性の観点から制限が存在する。このため、代替として非貴金属ベースの比較的安価な触媒の開発が急務とされている。オペランドXAS(X線吸収分光法)測定は、触媒反応中の触媒の電子状態および局所構造を詳細に解析できる手法であるため、水分解反応のメカニズムを解明するのに有効である。本研究の目的は、マンガン酸化物水分解触媒のXAS分析と理論計算を駆使し、適切な触媒調整条件を特定することで、水分解活性の向上を目指すことである。 本年度は、KEK-PFやSPring-8といった放射光施設にて、蛍光検出器関連部品と測定チャンバー等の測定環境の調整・改良をし、XAS分析を行った。マンガン以外の遷移金属酸化物に対しても触媒表面や内部における局所構造情報を取得した。当初の研究計画通り、昨年度に導入したワークステーションの立ち上げが完了し、取得した実験データから、構造モデルを作成し、計算条件を吟味しながら理論計算を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、理論計算に使用するマンガン酸化物触媒や遷移金属酸化物のXAS測定データから構造モデルを作成できており、実験と計算データの比較検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、取得した実験データを元に、詳細な解析・理論計算を行い、触媒の活性状態を求めていく予定である。また、引き続きオペランドXAS測定の光学関連の調整や改良等を行い、より質の高い測定データを取得していく。
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