研究課題/領域番号 |
22KJ2371
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補助金の研究課題番号 |
21J00124 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岸本 励季 九州大学, 人間環境学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 協調 / コミュニケーション / 互恵性 / 協力 / 発達 / ターンテイキング / 話者交替 / 会話 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは他者が発したシグナルから意図を読み、それに応じて自身の行動や推論を調整することができる。そして、これが互いに繰り返されることで、読み合いが連鎖し、協調が実現される。本研究課題では、この協調の心的メカニズムの起源を明らかにするべく、幼児期におけるコミュニケーション場面での協調原理の理解を検討し、前言語期の乳児を対象に、非言語課題を開発を目指す。これらの観点を統合することで、他者と自身の相互作用の中で生まれる協調の創発の出現を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、会話場面の協調に着眼し、他者の発した発話の曖昧性を、どのような手がかりを用いて解読しているかを検討した。「いまのみた?」という曖昧な発話を、ヒトが近接性と希少性をどのように統合して解読するのかを検討し、その方略を7-10歳児と成人を対象に比較した。同一のイベントが9回連続して生じる中で、1つだけ他とは異なったイベントが生起する映像刺激を提示し、一連のイベントが終わった時点で「いまのみた?」という音声を提示した。参加者の課題は、「いまのみた?」が指しているイベントを選択することであった。その結果、成人は近接性を連続的な変数として扱い、希少性と統合するが、子どもは近接性を定量として扱い、希少性と独立に考慮することが示された。7-10歳という比較的高年齢な子どもも、成人とは異なる脱曖昧化方略を用いていることが示された。本結果は、英語論文として執筆し、今現在国際誌に投稿している。 次に、協調の一つとして互恵性に着眼した。発達初期において好意を選択的にお返しする互恵性を検出するかを検討すべく、2つの実験を行った。10-12ヶ月の乳児に、食べ物を分配する社会的インタラクションを提示し、過去に協力的に振る舞った他者に、被援助者はお返しすることを期待するかを検討した。また、過去に協力的に振る舞った他者に協力をお返しをするエージェントを好むかを人形劇を用いて検討した。なお、本研究はノルウェー・オスロ大学との国際比較研究であり、結果は、オスロ大学で実施したものと比較する予定である。
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