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ダイクォークのカイラル有効理論によるハドロンの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2377
補助金の研究課題番号 21J20048 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
研究機関九州大学

研究代表者

金 龍熙  九州大学, 理学府, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードハドロン物理 / ダイクォーク / カイラル有効模型 / ヘビークォーク / クラスター構造 / 崩壊反応 / 強い相互作用 / ハドロン物理学 / 強い力 / ダイクォーク模型 / 対称性の自発的破れ / フレーバー対称性 / 量子異常 / 異種ハドロン / エネルギースペクトル
研究開始時の研究の概要

2つの軽いクォークの仮想的な結合状態である「ダイクォーク」、及びダイクォーク描像をもつハドロンについて、「ダイクォークのカイラル有効理論」を参考に解析をすすめる。カイラル有効理論とは、軽いクォークがもつカイラル対称性と呼ばれる近似的対称性について扱う理論である。この対称性は、低エネルギー領域で発生するカイラル対称性の破れというものによってクォークの動的な質量生成が説明できることが大きな特徴である。本研究ではこの対称性の破れに注目し、カイラル対称性の破れとダイクォーク、そしてダイクォーク描像をもつハドロンの性質を理論的に解析する。

研究実績の概要

チャームやボトムといったヘビークォークを1つ含むシングルヘビーバリオンや、クォーク・反クォークを合わせて4つ以上含む異種ハドロンは、軽いクォーク2つの仮想的な結合状態により「ダイクォーク」というクラスター構造を形成することがと期待される。本研究では特にカラー反対称なダイクォークについて、「ダイクォークのカイラル有効理論」の観点から主に解析を進める。

本年度の研究ではこのダイクォークについて、カイラル有効理論に加え、2つのクォーク間にサイズや密度分布を付加することで剛体とみなし、2粒子系により近い描像にして解析を進めた。その結果、ダイクォークの中で1,2番目に安定している「スカラー」「軸性ベクトル」ダイクォークは、点粒子とみなして解析していた先行研究と比較しても質量に大きな変化はなかった。対して、これらのカイラルパートナーである「擬スカラー」「ベクトル」ダイクォークは、付加されたサイズや密度分布による質量が加算され、ダイクォークそのものの質量は先行研究よりも軽くなった。

また本年度はこの他に、ダイクォークのカイラル有効理論を一部更新し、それがシングルヘビーバリオンに及ぼす影響を解析するという研究も進めた。その結果、先行研究で与えられた「ストレンジクォークの有無による擬スカラーダイクォークの質量反転」というダイクォークの性質は必ず約束されるものではなくなったが、「カイラル対称性の回復により軸性ベクトルダイクォークとスカラーダイクォークの質量が反転する」という性質はより確実となり、故に「高温・高密度空間では、軸性ベクトルダイクォークが最も安定する」ことが分かった。このことは、「パイ中間子を放出するシングルヘビーバリオンの崩壊反応は、より高温・高密度な環境に近づくほど起こらなくなる」という昨年度の成果をより強く主張する理論結果でもある。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Strong decays of singly heavy baryons from a chiral effective theory of diquarks2023

    • 著者名/発表者名
      Yonghee Kim, Makoto Oka, Daiki Suenaga, Kei Suzuki
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 107 号: 7 ページ: 074015-074015

    • DOI

      10.1103/physrevd.107.074015

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Doubly heavy tetraquarks in a chiral-diquark picture2022

    • 著者名/発表者名
      Kim Yonghee, Makoto Oka, Kei Suzuki
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 105 号: 7 ページ: 074021-074021

    • DOI

      10.1103/physrevd.105.074021

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ダイクォークの相互作用に基づくヘビーバリオンの崩壊反応2022

    • 著者名/発表者名
      金 龍熙、岡 真、鈴木 渓、末永 大輝
    • 学会等名
      日本物理学会 2022年秋季大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ダイクォークのカイラル相互作用とヘビーバリオンの崩壊反応2022

    • 著者名/発表者名
      金 龍熙、岡 真、鈴木 渓、末永 大輝
    • 学会等名
      SSI2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Decay reactions of singly heavy baryons based on an interaction of diquarks2022

    • 著者名/発表者名
      金 龍熙、岡 真、鈴木 渓、末永 大輝
    • 学会等名
      SNP School 2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ダイクォーク模型によるT_{QQ}テトラクォークの構造2021

    • 著者名/発表者名
      金 龍熙、岡 真、鈴木 渓
    • 学会等名
      日本物理学会秋季大会、2021年9月14日、オンライン
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ダイクォーク模型によるT_{QQ}テトラクォークの構造2021

    • 著者名/発表者名
      金 龍熙、岡 真、鈴木 渓
    • 学会等名
      ストレンジネス核物理の将来を考える研究会、2021年9月21日、オンライン
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ダイクォーク模型によるT_{QQ}テトラクォークの構造2021

    • 著者名/発表者名
      金 龍熙、岡 真、鈴木 渓
    • 学会等名
      第 127 回日本物理学会九州支部例会、2021年12月4日、オンライン
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ダイクォーク模型によるT_{QQ}テトラクォークの構造2021

    • 著者名/発表者名
      金 龍熙、岡 真、鈴木 渓
    • 学会等名
      第7回クラスター階層領域研究会、2021年12月28日、東北大学 電子光理学研究センター(ELPH)
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ダイクォーク模型によるT_{QQ}テトラクォークの構造22021

    • 著者名/発表者名
      金 龍熙、岡 真、鈴木 渓
    • 学会等名
      日本物理学会秋季大会、2022年3月16日、オンライン
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] サイズを付加したカイラルダイクォーク模型とバリオン

    • URL

      https://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~sansha.wakate/school2023/docs/oral_abs_nuclear_v3.pdf

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] ダイクォークの相互作用に基づくヘビーバリオンの崩壊反応

    • URL

      http://www.genshikaku.jp/backnumber.php?vol=67&issue=sp1

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-12-25  

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