研究課題/領域番号 |
22KJ2446
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補助金の研究課題番号 |
22J12242 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 徳島県立博物館 (2023) 九州大学 (2022) |
研究代表者 |
鈴木 佑弥 徳島県立博物館, その他部局等, 学芸員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | クモ / 網 / 生活史 / 節足動物 / 進化史 / カラカラグモ科 / 分類学 / クモ目 / 生殖器 / 琉球列島 / 生息環境 |
研究開始時の研究の概要 |
クモ類は自らが紡いだ糸を用いて網を張る生物である。クモの網は種によって異なる形態を示すとともに、餌捕獲装置や生活の場として機能することから、網形態の多様性はクモ類が様々な環境に進出してきたことと密接に関連していると考えられてきた。本研究では、クモ類のうちカラカラグモ科に注目した。カラカラグモ科は森林や草原、湿地、洞窟など多様な環境に生息する造網性クモ類の一群であり、申請者の先行研究により、近縁種間でも生息環境や網構造に差異がみられることが示唆されている。そこで、本研究では、本科の分類学的整理を行うとともに、各種の網構造が生息環境に対してどのように適応してきたのかを明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
クモの網は、動物が作り出す構造物の代表例である。網は、餌捕獲装置や生活の場として機能しており、クモの生息環境の多様化に強く結びついていると考えられてきた。申請者が注目したカラカラグモ科は、体長3mm以下の微小種からなるグループであり、網構造の多様化が顕著であるとされている。これらのクモは種によって森林や草地、湿地、洞窟など異なる生息環境を選好することが示唆されており、網形態と生息環境の関連性を探るうえで有用なグループであることが期待された。一方、当グループは世界的に分類学的整理が進んでいないという問題点もあった。そこで、カラカラグモ科における網形態の進化と生息環境の関連性を明らかにするために、基盤となる分類学的整理および生活史の解明を実施した。当初、日本産カラカラグモ科は3属5種が知られていたのみだったが、2022年度までに実施した分類学的研究により、1新属7新種3不明種を記載・発見し、国内には少なくとも5属15種のカラカラグモ科が生息していることが明らかになった。また、これらのクモは種間で微生息環境が明確に異なっており、従来知られていた森林に加え、草地、湿地水面、洞窟を好む種がそれぞれ発見された。さらに、各種の網形質や造網行動を検討したところ、生息環境間で形質に差異が見られることが明らかになった。例えば、湿地水面に生息する種は、網糸を水面に付着させるという行動を示し、この行動は森林性、草原性、洞窟性種においては確認されなかった。以上の結果から、カラカラグモ科においては微生息環境の多様化と網形質の特殊化が密接に関連していることが示唆された。今後は、2023年度に実施したカラカラグモ科における分子系統解析の整備を進展させ、当グループの系統関係を再構築するとともに、海外の種の情報も比較検討することで、網の進化史の全容を明らかにしていく予定である。
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