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革新的な癌治療を目指した新規癌関連線維芽細胞亜集団の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ2466
補助金の研究課題番号 22J20790 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関九州大学

研究代表者

瀧澤 宣郎  九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード癌関連線維芽細胞 / 癌・間質細胞 / 細胞間相互作用 / 癌細胞 / 腫瘍組織 / 線維化 / 癌
研究開始時の研究の概要

癌組織を充填している主要な細胞として、癌関連線維芽細胞(CAF)が存在する。このCAFは、コラーゲンや増殖因子、プロテアーゼを産生することで、癌形成を促進すると考えられてきた。しかしながら、このCAFは様々な亜集団で構成されているため、癌形成を促進させる細胞と抑制させる細胞の存在が明らかとなった。そのため、CAFを標的とした癌治療には、癌病態を促進する特定のCAF亜集団を標的とする必要がある。しかしながら、CAFの亜集団の性質の違いは、未だ殆ど明らかにはなっていない。

研究実績の概要

癌組織を充填している主要な細胞として、癌関連線維芽細胞(CAF)が存在する。このCAFは、コラーゲンや増殖因子、プロテアーゼを産生することで、癌形成を促進すると考えられてきた。しかしながら、このCAFは様々な亜集団で構成されているため、癌形成を促進させる細胞と抑制させる細胞の存在が明らかとなった。そのため、CAFを標的とした癌治療には、癌病態を促進する特定のCAF亜集団を標的とする必要がある。しかしながら、CAFの亜集団の性質の違いは、未だ殆ど明らかにはなっていない。そこで、我々は癌を促進する新たなCAF亜集団のマーカーとなる分子を見出し、CAFを標的とした癌の新規治療法の創出を目指した。
そのために我々は以前より明らかにしていた筋線維芽細胞の特異的なマーカーとなり、線維化を促進する受容体に着目した。筋線維芽細胞はCAFと類似の細胞として知られるため、この受容体は癌病態を促進する新たなCAFのマーカーになる可能性が高い。
そこで、以前より作成していた目的受容体のノックアウトマウスを使用し、膵臓癌病態に与える影響を検討したところ、ノックアウトマウスにおいて膵臓癌腫瘍の有意な縮小が認められた。今後は、膵臓癌のCAFに発現する目的受容体が線維化に与える影響を調べる。また、目的受容体のCreERT2/td Tomatoマウスを使用して、目的受容体を発現するCAFの特徴を明らかにすると共にCAFにおける目的受容体が癌を促進するメカニズムを明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、乳癌と同様に線維化が認められ、難治性癌として知られる膵臓癌を誘導するモデルの立ち上げに取り組んだ。この膵臓癌は乳癌に比べ、治療満足度が低い癌病態である。実際に、C57BL6由来のPan02膵臓癌細胞株をマトリゲルと共に同系統マウスの膵臓に移植することで、膵臓癌病態を誘導することができた。そこで、膵臓癌病態組織のCAFにおける目的受容体の発現を検討した。その結果、癌細胞周囲のCAFにおいて目的受容体が発現していることを明らかにした。さらに、以前より作成していた目的受容体のノックアウトマウスを使用し、膵臓癌病態に与える影響を検討した。その結果、ノックアウトマウスにおいて膵臓癌腫瘍の有意な縮小が認められた。以上のことから、当初の目的通り、目的の受容体は乳癌、膵臓癌病態において、格好の治療標的となる可能性があるため、研究はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

これまで、目的受容体が膵臓癌病態組織のCAFに発現しており、腫瘍の増殖を促進することを見出している。そこで、今後は目的受容体が癌病態の線維化に与える影響を調べ、さらに目的受容体を発現するCAFの特徴を明らかにする予定である。そのために、まず、ノックアウトマウスの膵臓癌腫瘍における線維化を評価し、目的受容体が線維化に与える影響を調べる。その後、目的受容体を発現するCAFの特徴を調べるため、膵臓癌組織からtotalのCAFを単離する系を立ち上げる。さらに、目的受容体のCreERT2/td Tomatoマウスを作成する。そして、そのマウスに膵臓癌病態を誘導して、totalのCAFを単離し、そのCAFの中でもtd Tomatoの発現により、目的受容体の発現陽性のCAFと陰性のCAFをsortingし、それぞれのCAFのRNA-seqを行う。これにより、目的受容体を発現するCAFの特徴を明らかにすると共にCAFにおける目的受容体が癌を促進するメカニズムを明らかにする予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The well-developed actin cytoskeleton and Cthrc1 expression by actin-binding protein drebrin in myofibroblasts promote cardiac and hepatic fibrosis.2023

    • 著者名/発表者名
      Takanori Hironaka, Noburo Takizawa, Yuto Yamauchi, Yuma Horii, and Michio Nakaya
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 299(3) 号: 3 ページ: 102934-102934

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2023.102934

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] VGLL3 is a mechanosensitive protein that promotes cardiac fibrosis through liquid-liquid phase separation2023

    • 著者名/発表者名
      Horii Yuma、Matsuda Shoichi、Toyota Chikashi、Morinaga Takumi、Nakaya Takeo、Tsuchiya Soken、Ohmuraya Masaki、Hironaka Takanori、Yoshiki Ryo、Kasai Kotaro、Yamauchi Yuto、Takizawa Noburo、Nagasaka Akiomi、Tanaka Akira、Kosako Hidetaka、Nakaya Michio
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 14 号: 1 ページ: 1-19

    • DOI

      10.1038/s41467-023-36189-6

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Off-line two-dimensional LC-MS/MS determination of tryptophan enantiomers in mammalian urine and alteration of their amounts in d-amino acid oxidase deficient mice2022

    • 著者名/発表者名
      Ishii Chiharu、Takizawa Noburo、Akita Takeyuki、Mita Masashi、Ide Tomomi、Konno Ryuichi、Hamase Kenji
    • 雑誌名

      Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis

      巻: 219 ページ: 114919-114919

    • DOI

      10.1016/j.jpba.2022.114919

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] BCAT1 directs myofibroblasts' collagen production by promoting proline synthesis machinery2023

    • 著者名/発表者名
      Noburo Takizawa and Michio Nakaya
    • 学会等名
      Japan and Australia Meeting on Cell Death 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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