研究課題/領域番号 |
22KJ2468
|
補助金の研究課題番号 |
22J21002 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笠井 康太郎 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 線維化 / 筋線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
線維化とは、細胞外マトリックスが過剰に産生された病態であり、組織の機能を低下させる。しかしながら、未だ決定的な線維化治療薬はほとんど存在していない。 線維化は筋線維芽細胞によって実行される。我々は、慢性炎症期の組織の筋線維芽細胞に特異的に発現し、線維化を促進するだけでなく「慢性炎症期筋線維芽細胞」の分化状態維持に関与する可能性のある分泌蛋白質を見出した。そこで本研究では、この分泌蛋白質を切り口にして慢性炎症期筋線維芽細胞の機能、特徴を解明するとともに、この分泌蛋白質が線維化病態における治療標的となり得るかの評価を行う。
|
研究実績の概要 |
線維化とは、組織において細胞外マトリックスが過剰に蓄積された病態である。過剰な線維化は、組織を硬くすること等により、各種組織の機能を大きく低下させる。線維化は心筋梗塞後の心臓や特発性肺線維症、慢性腎不全、非アルコール性脂肪肝炎等の様々な病態において認められるが、有効な治療法はほとんど存在せず、革新的な線維化治療法の確立が望まれている。 線維化は筋線維芽細胞によって実行される。私は、慢性炎症期の組織の筋線維芽細胞に特異的に発現し、線維化を促進させる分泌蛋白質を見出した。そこで、私はこの分泌蛋白質を切り口として、画期的な線維化治療薬開発の基盤構築を目指し、研究を行っている。 この分泌蛋白質を標的とした線維症に対する治療効果を評価するため、前年度は多産系のICRマウスに対して、卵管にCAS9 mRNAとsgRNAを注入し、電気穿孔法を行うことで遺伝子改変マウスを作製する技術であるGONAD法を実施し、この分泌蛋白質のノックアウトマウスを作製した。ICRマウスは非近交系であるため、当該年度は近交系のC57BL/6N野生型マウスを用いた連続戻し交配を6世代にわたって実施した。更に得られた標的分泌蛋白質ヘテロ欠損C57BL/6Nマウスどうしで交配し、標的分泌蛋白質ホモ欠損C57BL/6Nマウスを獲得した。来年度はこのマウスに臓器線維化を誘導し、この標的分泌蛋白質の欠損によって線維化が軽減されるかを線維化関連因子のRNA発現量の測定、細胞外マトリックス蛋白質の組織染色により評価する。この分泌蛋白質の欠損によって、線維化の軽減が認められた際は、この標的分泌蛋白質の中和抗体を作製し、線維化に対する治療効果の更なる検討を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り標的分泌蛋白質ホモ欠損C57BL/6Nマウスを獲得できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
筋線維芽細胞において、標的分泌蛋白質の線維化関連因子産生に影響を及ぼすシグナル経路の探索を行う。 また、線維化に対する治療効果を検討するために、作製した標的分泌蛋白質欠損マウスに臓器線維化を誘導し、線維化病態が軽減されるか評価する。
|