研究課題/領域番号 |
22KJ2498
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補助金の研究課題番号 |
21J20978 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
西依 隆一 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | グリーンケミストリー / 有機触媒 / カルコゲン / 不斉合成 / ラクトン |
研究開始時の研究の概要 |
石油由来の単純なアルケンを用いた直截的有用化合物合成法の開発は、化学合成に伴うエネルギー消費や廃棄物排出の大幅な削減につながることから、循環型社会に向けて確立すべき科学技術である。しかし、機能性化合物を効率的且つ精密に創製するための、アルケンを用いた立体選択的不斉合成は、未だ困難な課題として残されている。本研究では、独自のアイデアに基づいて設計した分子認識型キラル二官能性カルコゲナイド触媒を利用することで、本課題の解決に挑む。本手法が確立できれば、医薬品や機能性材料の製造工程の大幅な簡略化に繋がることから、化学工業の様々な場面で利用される手法になると期待される。
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研究実績の概要 |
石油由来の単純なアルケンを用いた直截的有用化合物合成法の開発は、化学合成に伴うエネルギー消費や廃棄物排出の大幅な削減につながることから、循環型社会構築に向けて確立すべき科学技術である。しかし、機能性化合物を効率的且つ精密に創製するための、アルケンを用いた立体選択的不斉合成は、未だ困難な課題として残されている。本研究では、独自のアイデアに基づいて設計した分子認識型キラル二官能性カルコゲナイド触媒を利用することで、本課題の解決に挑んだ。触媒機能の本質的役割を担うカルコゲナイド部位に加え、触媒骨格にアニオン認識部位を組み込むことで、反応中間体の構造および触媒機能を精密に制御し、これまで困難とされてきたアルケンへの高立体選択的官能基導入法の開発に取り組んだ。本手法が確立できれば、医薬品や機能性材料の製造工程の大幅な簡略化に繋がることから、化学工業の様々な場面で利用される手法になると期待できる。独自に設計したキラル二官能性カルコゲナイド触媒の効率的合成法を確立し、触媒ライブラリーの構築をおこなった。このキラル二官能性カルコゲナイド触媒ライブラリーを活用し、アルケニルカルボン酸の不斉ヨードラクトン化反応による有用光学活性ラクトン化合物の効率的不斉合成への適用を検討した。その結果、ヒドロキシ基を有するキラル二官能性セレニド触媒が、本反応に効果的であることを見出した。本反応においては、アルケニルカルボン酸の不斉ブロモラクトン化反応に極めて有効であったキラル二官能性スルフィドを触媒とした場合、反応の加速は見られるものの、立体選択性はほとんど発現しないという興味深い結果を得た。用いるハロゲン化試薬の特徴に応じて、最適なカルコゲナイド触媒を選択することが重要であるという知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
独自に創製したキラル二官能性セレニド触媒を用いた、不斉ヨードラクトン化反応への展開には成功した。しかし、申請当初計画していた、単純なアルケンを反応基質とした、分子間での触媒的不斉合成反応へのより挑戦的な展開についての検討に関しては、研究の進展が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発したキラル二官能性カルコゲナイド触媒ライブラリーを活用し、石油由来の単純なアルケンを原料として用いた不斉合成反応の検討を行う。これまでに実施した、分子内での不斉反応開発で得た知見を基に、反応条件を精査し、実用的反応系の確立を目指す。また、これまでに開発した分子認識型キラル二官能性スルフィド触媒およびセレニド触媒が、アルケニルカルボン酸の不斉ブロモラクトン化反応に極めて有効であったことから、本触媒的不斉合成法を利用し、生物活性化合物や機能性物質の効率的合成手法を確立する。具体的には、二酸化炭素を用いた不斉ブロモ環化反応を検討する。
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