研究課題/領域番号 |
22KJ2524
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補助金の研究課題番号 |
21J23396 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
野津 昂亮 宮崎大学, 農学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 牛伝染性リンパ腫ウイルス / 抵抗性牛 / TaqMan assay / Allele-Specific PCR / Genotyping / デジタルPCR / ウイルス検査 / 遺伝子検査 / 牛伝染性リンパ腫 / BoLA-DRB3*009:02 / BoLA-DRB3*016:02 / アリル特異的PCR / TaqManアッセイ |
研究開始時の研究の概要 |
牛伝染性リンパ腫抵抗性遺伝子(BoLA-DRB3*009:02)を保有する牛 (抵抗性牛)は、牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)に感染しても血中のプロウイルス量が極めて低いことが知られている。近年ではこの特性に着目したBLV感染症の防疫戦略が検討されている。本研究は、抵抗性牛を利用したBLV感染症の防疫戦略の為のツールとして、抵抗性牛をより簡易的かつ正確に判別できる遺伝子診断法を開発することを目的としていた。2021年度に、BoLA-DRB3*009:02特異的TaqMan Assayの開発に成功し、研究当初の目的を達成したため、現在応用研究を進めている。本年度は、本アッセイの生産現場での実装に向け、更なるプロトコルの改良を行う予定である。
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研究実績の概要 |
2023年度は、BLV(牛伝染性リンパ腫ウイルス)抵抗性牛の簡易検査を生産現場に実装することを目標とし、プロトコルのさらなる改良を行った。この簡易検査法に関して、タカラバイオ株式会社と共同研究を実施した。従来のBLV抵抗性遺伝子特異的TaqManAssayでは、牛全血から核酸を抽出する作業が必要だったが、改良により牛全血の簡易処理を5分間で行うことで、核酸抽出作業を簡略化することに成功した。この成果は、「BLV抵抗性マーカー遺伝子検出キット」として2023年11月6日にタカラバイオ株式会社から製品化された。この技術の普及を目指して、日本農業新聞や宮崎日日新聞を通じてコミュニティへの情報発信を行ったところ、生産現場から大きな反響があった。また本技術を第13回家畜感染症学会学術集会において口頭発表し、フロアからの投票により最優秀学術賞に選定された。以上の成果から、2023年度はBLV抵抗性牛の簡易検査の製品化に成功し、生産現場で誰もが利用できるようになると共に、本技術の普及に向けた情報発信が着実に進んだと自己評価する。 本研究は、BLV抵抗性牛の簡易検査法の開発を目的としていたが、想定以上に研究が進捗した。研究初年度に、BLV抵抗性遺伝子特異的TaqManAssayが完成した。研究2年度には初年度の成果を用いた応用研究を展開し、1. 国内におけるBLV抵抗性遺伝子保有牛の割合の調査研究、2. BLV抵抗性遺伝子と同時にBLV感受性遺伝子とBLVプロウイルス量を検出・定量する次世代の検査技術であるIPATS-BLV法の開発研究を行った。研究3年度については、上述の通り、BLV抵抗性牛の簡易検査法を商品化することができた。これらの研究成果により、「病気に強い体質の牛を利用したBLV感染症の防疫」を実装するための技術的基盤を築き、またそれを生産現場に普及することができた。
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