研究課題/領域番号 |
22KJ2533
|
補助金の研究課題番号 |
21J00225 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
村瀬 偉紀 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 耳石 / 微量元素比 / 個体群間変異 / メダカ / 遺伝基盤 |
研究開始時の研究の概要 |
水温の時空間的変動が魚類に及ぼす影響を適切に予測するためには、個体レベルでの詳細な水温履歴の復元が必要となる。本研究では、魚類の耳石に記録される微量元素の中から、温度依存性が報告されている元素に着目する。耳石微量元素比分析に加えて量的遺伝学や集団ゲノミクスの手法を駆使することで、耳石微量元素比のばらつきに及ぼす遺伝と水温の影響を分離して、高解像度な水温履歴復元手法の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
魚類の耳石における微量元素比のばらつきに及ぼす遺伝と環境(水温)の影響をそれぞれ定量化することを目的として、主に飼育実験と表面分析からなる研究を実施した。メダカ属魚類をモデルとして、両親が同じ子世代を複数の水温区で飼育して、個体間および水温区間での耳石微量元素比を比較した。2023年度は、2021~2022年度に得られた成果に基づいて、耳石Sr/Ca比のばらつきの実態を明らかにすることを目的として、近交系個体を親魚とした飼育実験を行い、full-sib個体から得られた耳石の微量元素分析を実施した。親魚は、基礎生物学研究所メダカバイオリソースプロジェクトによるHdrR-II1系統のミナミメダカを用いた。また、2021年度と同様に、野外にて沖縄県産のミナミメダカを採集した。すべての個体を1か月ほど一定水温で飼育して馴致した後、これらの個体を親魚として、2021~2022年度と同様の共通環境実験を行った。ペアごとに受精卵を得て、孵化仔魚を水中の微量元素を一定に調整した水で飼育した。孵化後約60日後に実験個体を採集して、標準体長と体重を測定・計量した。また、左右の耳石扁平石を摘出して、耳石重量を計量した。電子線マイクロアナライザを用いて耳石中に含まれるカルシウム(Ca)とストロンチウム(Sr)の濃度を測定した。その結果、耳石Sr/Ca比は個体群間で大きく異なり、そのばらつきの大きさは野生個体でより顕著であることが明らかとなった。
本研究では、耳石Sr/Ca比を、家系間および地域個体群間、さらには近縁種間で得たデータと比較することで、耳石Sr/Ca比のばらつきが家系間、地域個体群間および種間でどのように異なるのかを検証した。これらの成果は、水産学分野で汎用されている、耳石微量元素比に基づく環境履歴の復元手法の精度向上において、きわめて重要な知見を提供する。
|