研究課題/領域番号 |
22KJ2537
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補助金の研究課題番号 |
21J22042 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
坂本 琳太郎 札幌医科大学, 札幌医科大学大学院保健医療学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 有酸素性運動 / 脳血管内皮機能 / 脳血流 / 血流依存性血管拡張反応 |
研究開始時の研究の概要 |
有酸素性運動による血流増加は,四肢の血管内皮機能を改善させる.四肢の血管だけでなく,脳血管においても有酸素性運動中に血流が増加する.しかし脳の血管内皮機能が,脳血流の増加を伴う有酸素性運動によって改善するのかは未だ明らかでない.そこで本研究は,脳の血管内皮機能を反映する指標である内頸動脈の拡張反応が,脳血流が増加する有酸素性運動によって急性的に向上するのか,さらにトレーニングによって改善するのかを解明することを目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究は,脳血流の増加を伴う単回の有酸素性運動および有酸素性運動トレーニングが脳血管の内皮機能の向上に寄与するのかを明らかにすることを目的としている.本研究では,内頸動脈の拡張反応を用いて非侵襲的にヒトの脳血管内皮機能を評価する.また有酸素性運動の急性効果およびトレーニング効果に関して,実験1「脳血流の増加を伴う単回の有酸素性運動が内頸動脈の拡張反応を向上させるか」および実験2「脳血流の増加を伴う有酸素性運動のトレーニングが内頸動脈の拡張反応を改善させるか」,にて検討する. 2022年度は,実験1を完了した.実験1では健康な成人男性を対象に有酸素性運動を実施し,運動前後にて内頸動脈の拡張反応を測定した.運動は脳血流の増加を伴う試行および脳血流の増加を伴わない試行とした.その結果,脳血流の増加を伴う運動後に,運動前と比較して,内頸動脈の拡張反応が急性的に増加した.一方で脳血流の増加が伴わない運動後では,内頸動脈の拡張反応は運動前より変化はなかった.以上の結果より,脳血流の増加を生じる有酸素性運動が,脳血管の内皮機能を急性的に改善する可能性が示唆された.2023年度開始時点より,実験1の成果を研究論文として発表する準備を進めている. また有酸素性運動トレーニングが内頸動脈の拡張反応に与える影響を調査する実験(実験2)に関しては,新型コロナウイルス感染症に伴う施設および研究実施の制限が緩和されつつあったものの,感染拡大に伴う実験の延期などにより,2022年度終了時点ではデータの取得は全体の6割程度の進捗となっている.しかし2022年度にて実験1のデータ取得が完了したため,2023年度にて実験2のデータ取得および解析を進める.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は,新型コロナウイルス感染症に伴う施設および研究実施の制限や感染拡大に伴う実験の延期が生じていた.しかし年度終了時点では,申請研究の実験1を遂行できたことや,実験2に関しても,半分以上のデータ取得が完了している.また2023年度以降は感染症に対する規制緩和がなされ,実験2を滞りなく遂行可能であることが見込まれる.以上より実験の遂行は,当初の予定通りであり,今後も計画的に進め,本申請研究のテーマである「有酸素性運動が脳血管の内皮機能に与える急性効果およびトレーニング効果」を明らかにする.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,脳血流の増加を伴う単回の有酸素性運動および有酸素性運動トレーニングが脳血管の内皮機能の向上に寄与するのかを明らかにすることを目的としている.2023年度以降は,実験1「脳血流の増加を伴う単回の有酸素性運動が内頸動脈の拡張反応を向上させるか」に関する研究成果に関して学会発表および論文執筆を進める.また前年度に引き続き実験2「脳血流の増加を伴う有酸素性運動のトレーニングが内頸動脈の拡張反応を改善させるか」の遂行に努める.また前年度取得した実験データに関しても今年度の終了時点にて研究成果を公表可能とするよう計画的に解析を実施する.
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