研究課題/領域番号 |
22KJ2548
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補助金の研究課題番号 |
21J22039 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
中嶋 大志 東京都立大学, 大学院システムデザイン研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 音響信号処理 / 音声信号処理 / ブラインド音源分離 / リアルタイム音源分離 / 独立ベクトル分析 / オンライン独立ベクトル分析 / 独立低ランク行列分析 / 音場補間 / 音楽信号処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的はブラインド音源分離の工学的有用性と音楽情報処理との関連に着目し,リアルタイムの音源分離を用いて「選択的な音楽聴取を支援するシステム」を開発することである. これを実現するために①オンライン独立ベクトル分析(以下,オンラインIVA)の高精度化②マイクの移動に頑健なオンラインIVAの開発③小型機器への実装・評価,に取り組む. ① :前年度に提案した手法を拡張し,より高精度な分離が可能な手法を提案する. ② :① の結果と音場補間と呼ばれる手法とを組み合わせることでマイクの移動に対する頑健性の向上を目指す. ③ :以上の成果を Raspberry Pi などの小型計算機へ実装し性能評価を行う.
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研究実績の概要 |
本研究課題では音楽信号の選択的な聴取の実現を目指して,高精度かつ低演算量なブラインド音源分離手法の開発に取り組んでいる.ブラインド音源分離はスマートフォンにおける音声認識機能や補聴器の性能向上などに応用されており,音楽信号の選択的な聴取が可能になれば,音楽のリミックスや自動採譜などさらなる応用が期待される. 2023 年度は前年度からの継続として,音源追跡と称する,1個の音源だけが移動する状況でオンライン音源分離を行う問題について効率的な手法を検討した.音源追跡に対して, online source steering と称する高速なパラメータ更新方法を導出し,演算量のオーダーを理論限界まで削減することに成功した.この内容は,信号処理分野のトップ国際会議である ICASSP に採択され, 2023 年 6 月にギリシャにてポスター発表を行い,さらに Top 3% Paper Recognitions の受賞にも至った. なお本成果は指導教員の小野順貴教授が研究代表者を務める JSPS 科研費の助成も部分的に受け, NTT コミュニケーション科学基礎研究所との共同研究の一環として取り組んだものである. また,前年度に採択されていた,独立低ランク行列分析におけるパラメータ更新の反復適用による分離性能向上に関するジャーナル論文が出版された.次に,マイクロホンアレイの移動に頑健な音源分離の研究に取り組み,音場補間とオンライン音源分離を組み合わせることにより,円状マイクロホンアレイが回転しても頑健にオンライン音源分離を行う手法を提案した.この成果は 2024 年 2 月に APSIPA Transactions on Signal and Information Processing に採択された.
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