研究課題/領域番号 |
22KJ2604
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補助金の研究課題番号 |
21J00172 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
濱本 直樹 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任助教
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 関数不等式 / 最良定数 / ソレノイダル場 / 渦なし条件 / ソレノイダルベクトル場 / 渦無し場 / 不確定性原理不等式 / Hardy不等式 / Poincare不等式 / 不確定性不等式 / ソレノイダル条件 / Laguerre陪多項式 / poloidal-toroidal分解 / 超幾何関数 |
研究開始時の研究の概要 |
Hardy不等式や不確定性原理不等式のような関数不等式の最良構造を、ベクトル場をテスト関数とした場合について調べる。この種の関数不等式は、渦無しもしくはソレノイダル(発散無し)のような条件でテストベクトル場を制約することによって、制約条件無しの場合とは異なる値の最良定数を持つようになる。積分測度や領域の形状などを色々な形に指定することで、その最良定数の具体的な値を様々な状況下で計算導出することを試みる。状況ごとに扱う直交関数系が異なるため、導出に用いられる数学的手法は多岐に渡ることを想定している。また、最良定数の達成可能性を判定する補正項についても、最良な形を模索していく。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、Hardy-Leray型をはじめとする様々な種類の関数不等式の制約条件付きベクトル場に対する最良定数について計算を進めている。その中でRellich-Hardy不等式は、これまでの研究で扱ってきたHardy不等式とその高階版であるRellich不等式の中間に位置するものとして重要であり、べき乗型重み付きの形に対する最良定数の値も知られているが、制約条件下での最良値については計算が複雑であるため、昨年度に本研究課題の科研費で購入した数式処理ソフトウェアをフルに活用してその計算を進めていた。ソレノイダル条件に対するRellich-Hardy不等式の最良定数の計算結果については、論文を執筆して数学雑誌Car. Var. Partial Diff. Equに投稿したところ、年度内で掲載受理された。一方で、渦なし条件に対するRellich-Hardy不等式についても最良定数の値が既に計算済みではあるが、その論文は投稿中であり結果待ちの状態が続いている。 また、球体上のPoincare不等式についても最良定数をソレノイダル条件下で計算し、その結果を9月度の日本数学会で発表した。また、その内容を研究集会「若手研究者による実解析と偏微分方程式」で発表した。 さらに、半平面上での2次元Hardy不等式の最良定数についても計算を始めた。現時点では最良定数の正確な値は判明していないが、制約条件が無い場合の最良値を上回ることが判明し、その内容を2024年3月度の日本数学会で発表した。今後の研究では、最良定数のより正確な値を導出していきたい。Euclid空間の部分領域以外に、曲率を有する空間についても制約条件付き関数不等式の最良構造を調べる方向にも研究内容を拡張していく予定である。
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