研究課題/領域番号 |
22KJ2615
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補助金の研究課題番号 |
22J14065 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
藤原 聡子 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | エクソソーム / マイクロ・ナノデバイス / 粒子径分級 / 膜・内包物解析 / 捕集 / 電気二重層 / 表面増強ラマン散乱 / 誘電泳動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、超早期疾病診断の新たなバイオマーカーとなり得るエクソソームの網羅的構造解析デバイスの開発とガン転移機構解明への展開を目的とする。まず、ナノ空間内電気二重層厚さ制御と流体制御を融合したデバイスを開発し、エクソソームを「粒子径分級」する。次に、プラズモニック結晶デバイスを作製し、表面増強ラマン散乱を利用したエクソソームの「膜・内包物解析」を行う。最後に、この2つを集積したデバイスを開発し、ハイスループットなエクソソーム網羅的構造解析を行う。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、次の3項目を実施した。 1)ナノ空間内電気二重層厚さ制御に基づく高効率なエクソソーム粒子径分級デバイスの開発 新デバイスを用いたエクソソーム粒子径分級、分級後エクソソーム回収率を評価した。まず、前者を検討した結果、60-300 nmの粒子径範囲をもつエクソソーム群から、60-120 nmの粒子径範囲をもつエクソソーム群の選択的回収に成功した。次に、後者を評価した結果、単位時間当たりの回収率は旧デバイスに比べて約10倍向上した。この結果は、主にナノ流路本数の拡充に起因すると考察している。今年度は、シースフローに係る検討には着手できなかったが、今後、設計や実験条件を含めた更なる検討で、分級効率や回収率の向上が強く見込まれる。 2)金ナノコーンアレイ(Au NCA)によるエクソソームの表面増強ラマン散乱光検出 誘電泳動(DEP)との融合展開のため、倒立顕微鏡を用いた自作の633 nm励起のレーザー光学系構築を行った。結果、Au NCA上有機分子の定性的ラマン信号取得は実現できたが、定量性評価は困難であった。今後、ケージシステムによって、十分に光学系の改善は可能だと考えている。一方、いずれの励起波長においても、Au NCAのラマン増強度では、エクソソームラマン信号を十分に得られないと考えられるため、DEPとの融合による増強度向上は必須だと結論付けた。 3)DEPを用いたプラズモニック結晶(PC)上へのエクソソーム関連生体分子捕集 Au NCA-DEPデバイスを作製し、DEP挙動評価を行った。結果、金ナノホールアレイ(Au NHA)と同様、迅速なAu NCA上へのナノ粒子捕集が確認された。今後は、ラマン分光と組み合わせることで、エクソソームラマン信号の高感度検出が実現できると考えられる。
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