研究課題/領域番号 |
22KJ2666
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補助金の研究課題番号 |
21J21096 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
羽生 ひかる 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | オルガノイド / 小腸上皮幹細胞 / 炎症性腸疾患 / 消化管上皮修復 / 腸管上皮幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、近年増加している炎症性腸疾患や他の腸疾患の病態解明、治療開発において理解が求められている消化管上皮の修復機構を理解するため、腸管上皮幹細胞から多様な分化細胞を含む三次元構造体「オルガノイド」による消化管上皮修復モデルの構築を行う。その結果を検証することで、上皮再生メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
近年,小腸上皮幹細胞から産生される多様な分化細胞を含み,消化管上皮のホメオスタシスをin vitroで再現する「オルガノイド」培養法の開発が加速している.当研究室では,絨毛構造を模したオルガノイド二次元培養法の構築に成功しており(Sugimoto et al. Nature. 2021),本研究は,この系をさらに改善し,消化吸収などの機能を有した,より消化管上皮らしいin vitro培養系を開発することを目的としている.さらに,この系を応用し,近年増加している炎症性腸疾患の病態を解明するため,消化管上皮の修復機構を検証するin vitro培養系への応用を目指す. 今年度は,昨年度習得した絨毛構造を有するオルガノイド二次元培養法のさらなる改変を行うとともに,上皮細胞の機能解析へと段階をすすめた.培養条件については,昨年度成功に至った消化管上皮分化マーカーの発現誘導を,ヒト組織の発現レベルへと近づける条件を探索し,機能アッセイの結果と相互にフィードバックしながら改変を行っている.機能解析については,消化管の主要な機能である栄養素の吸収能に着目し,LC/MS解析によってグルコース(3-O-Methyl-D-glucose)の細胞内への取り組みを確認することに成功している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,昨年度から課題としていた機能アッセイへ応用する足掛かりとして,絨毛構造を有するオルガノイド二次元培養系において,小腸上皮細胞が主要な栄養素の取り込み能を示す条件設定と、その実証に至ったという点で,研究の進展がみられている.消化管上皮の修復機構を検証するin vitro培養系の設定は,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
本年度行った機能解析において,絨毛構造を有するオルガノイド二次元培養が消化管組織と類似した機能を持つことを支持するデータが得られている.一方,実際の組織とは異なる栄養素代謝を示すことも一部では示唆されており,更なる改良,検証を継続する.今後,in vitroのオルガノイドとin vivoの消化管組織との差異についての理解を深めつつ,消化管上皮の修復機構検証へとつながるin vitro培養系を構築し,その検証手法の確立を目指す.
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