研究課題/領域番号 |
22KJ2669
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補助金の研究課題番号 |
21J21244 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
SUPAKUL SOPAK 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / iPS細胞 / 神経細胞 / アストロサイト / 共培養系 / 脳オルガノイド / 性差 / 性ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
新規開発された神経誘導法を用いて、iPS 細胞から神経細胞へ誘導し、疾患モデルを作製する。共同研究を通じて既に収集してある家族性・孤発性 AD に追加して、新規孤発性 AD 株も樹立る。分化誘導された様々な培養モデル(神経細胞のみ単培養系・神経細胞とアストロサイトの共培養系・脳オルガノイド)の細胞自律的な効果を様々なAD表現型解析を行い、細胞株間の比較を行う。さらに、細胞非自律的な効果を調べるため、性ホルモン投与後の反応性を確認する。最後に、既存 AD 薬剤や新規の AD 薬剤(抗てんかん薬など)も投与し、性差及びてんかん様症状の有無による薬剤投与後の反応性の違いを示す。
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研究実績の概要 |
本研究は、新規iPS細胞株の樹立、様々なアルツハイマー病(AD)患者由来 in vitro 細胞モデルの確立(単培養系(神経細胞のみ)・共培養系(神経細胞とアストロサイト)・3次元培養系脳オルガノイド)、及び性ホルモン効果の検証を行っている。2022年度は新規樹立した細胞株の中、複数のSNPが認められた症例からiPS株(KEIOi005-A iPSC line)を解析し、論文として発表している(Supakul et al. Stem Cell Research. 2022)。AD様 in vitro モデルの確立に関して、新規誘導法を用いた神経細胞の単培養では、AD患者由来モデルが健常者由来モデルと比べ、分泌アミロイドβ(Aβ)の上昇が認められた。また、神経細胞とアストロサイトの共培養系も開発しており、共培養系は神経細胞では細胞活動・突起の複雑さが上昇し、電子顕微鏡による観察では、シナプス前部におけるシナプス小胞数が増加した。アストロサイトでは、プロセスの複雑さ・GFAP陽性細胞の割合が増加し、共培養系では、単一培養系より各種細胞における成熟な細胞の特徴を得られた。さらに、家族性アルツハイマー病患者由来iPS細胞(APP V717L株)の共培養系では、健常者由来iPS細胞(201B7株)の共培養系と比べ、AD病態のアストログリオーシス様表現型及びアストロサイトの肥大化を観察できた。性ホルモン効果の評価に関して、17β-エストラジオール(E2)投与の急性効果(15分後)として、Ca2+イメージングにおける、神経活動性の上昇を認めた。E2の慢性効果(4日後)としても神経突起伸長及び分岐促進を認めた。さらに、上記の共培養系においては、アストログリオーシスを緩和する効果も認められた。今後は、作製した家族性及び孤発性AD患者由来脳オルガノイドモデルのAD表現型様の解析・性ホルモン投与後の効果の検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者検体からiPS細胞の樹立が進んでおり、疾患の表現型が確認できた様々なIn vitro培養系(単培養系、共培養系、脳オルガノイド)の開発が成功している。また性差の効果として着目した性ホルモン(17β-エストラジオール)の効果もin vitro培養系で確認することに成功している。今後は開発に成功したIn vitro培養系を用いて、アルツハイマー病(AD)の表現型の確認、新規樹立したAD患者のiPS細胞を用いた患者の層別化を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
確立されたAD表現型及びE2投与後の反応を用いて、樹立された様々なAD患者由来iPS細胞株から作製した2D及び3D培養系を用いて、細胞自律的・非自律的効果によるAD層別化を進める予定である。
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