研究課題/領域番号 |
22KJ2712
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補助金の研究課題番号 |
22J21139 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
友岡 領 慶應義塾大学, 医学研究科(信濃町), 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / アストロサイト / 3次元培養 / 新規創薬基盤 |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患患者は社会の高齢化に伴い増加の一途を辿っており、治療法の開発が求められている。諸疾患の試験管内再現は、病態解析および創薬の観点から非常に重要な試みであるがグリア細胞に着目した系は未だ少ない。 本研究は、申請者が樹立したアストロサイト直接誘導法を介したAD試験管内モデルの再現性向上およびアミロイド凝集体蛍光標識系の導入で、微細な表現型の差異を簡便に評価可能な新規AD病態評価系の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病(AD)を始めとする神経変性疾患患者は社会の高齢化に伴い増加の一途を辿っており、治療法の開発が求められている。申請者はこれまでに、疾患病態を反映したアストロサイト細胞塊(iA spheroid)の作成を可能としており、本研究はAD患者由来iA spheroidの表現系評価と臨床応用に向けた誘導法の改良を行うものである。2023年度は主に①アミロイド凝集体蛍光標識系の代替法検討と②AD患者由来iA spheroidの表現型解析を行った。 ①当初アミロイド凝集体蛍光標識は、蛍光タンパク質を付加したアミロイドβ42(Aβ42)の強制発現ベクターの導入を計画していた。一方、ベクターによる持続的なAβ42の発現から細胞毒性が強く均一なアミロイド塊蛍光標識は困難であった。導入条件の検討と共に、外因的に蛍光標識アミロイドβの添加で代替可能か検討した。健常者およびAD患者由来iA細胞に対し蛍光標識Aβ42のプロトフィブリル体を2次元培養下で添加し、細胞への取り込みを観察した。結果、iA細胞への蛍光標識Aβ42の取り込みを確認でき、細胞死もベクター導入に比して少なかった。今後、3次元培養への移行時に蛍光標識Aβ42を添加し、細胞塊蛍光標識が可能か検討する。 ②3次元浮遊培養法で作出されるAD患者由来iA spheroidに認められるアミロイド凝集体に対し、電子顕微鏡による追加解析を行った。透過電子顕微鏡(TEM: Transmission Electron Microscope)および免疫電子顕微鏡法(iEM: Immunoelectron microscopy)による評価を行った。結果、Aβ42抗体陽性のアミロイド線維凝集物と、それらがライソゾームに取り込まれている様子が観察できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iA spheroidの遺伝子発現解析および透明化・染色工程の改良については順調に進捗している。アミロイド蛍光標識系の導入に関しては、外因的に蛍光標識Aβ42の添加により代替可能か検討している。
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今後の研究の推進方策 |
疾患特異的iA spheroidの表現型解析を進めると共に、誘導法の改良を継続する。
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