研究課題/領域番号 |
22KJ2753
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補助金の研究課題番号 |
22J40105 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
松浦 史明 上智大学, 総合グローバル学部, 特別研究員(RPD) (00584707)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 東南アジア史 / カンボジア / アンコール朝 / 王権 / 交易 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、文字史料と物質文化の分析を組み合わせつつ、アンコール朝の王権概念・行政機構の変遷、領域(政治・文化・経済などの多層構造をもつ影響範囲)の伸縮および域内ネットワークの消長などの分析を通じて、アンコール朝の統治システムの変遷を明らかにし、さらに、アンコール朝の対外政策、交易品の流入状況、東南アジア交易圏の史的展開(南アジア・東アジアを含む)の状況と対照させることで、アンコール朝の統治システムと東南アジア交易の変遷が、どのように関連し、相互に影響を与えていたのかを動態的に明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
研究期間の2年度目にあたる本年度においては、アンコール朝の各時代の王の事績について諸資料に基づき考察し、さらに対外関係の変遷について、15世紀を境とするアンコール時代とポスト・アンコール時代の前後における変化について検討を進めた。またその結果について、論文執筆および口頭発表を行った。 海外調査については、カンボジアおよびタイにおいて遺跡踏査および博物館調査を行った。その結果、特に王都外の地方遺跡(バンテアイ・チュマー遺跡、コンポン・スヴァーイのプレア・カン遺跡)の研究状況の把握と、いわゆるアンコール朝の解体期からタイのスコータイ朝勃興期における寺院建立のあり方についての知見を蓄積することができた。 また、アンコール朝の統治システムの変遷を理解するため、各時代の王の事績に関する基礎情報を刻文史料等に依拠しながら確認した。その成果の一部を、分担執筆を担当した書籍において公表している。さらに、ジャヤヴァルマン7世期に帰属する諸寺院および刻文史料を調査し、当該刻文の全体的な構成や刻文作成の意図、寺院や尊像造立への関与などを総合的に把握し、基礎データの収集に努めた。 上記の調査の結果、本研究の主題であるアンコール朝の統治システムおよび対外関係の変遷について、アンコール時代のみならずポスト・アンコール時代にかけての変化についても考える視座を得られたと考えており、最終年度の成果報告に向けた研究データの蓄積が着実に進んでいるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度における活動により、本研究に必要な研究データを着実に収集でき、成果の公表も行うことができた。とりわけ、アンコール朝の対外交易の変遷についてはポスト・アンコール時代にかけての動向も含めて一定の理解に達し、今後成果が公表される見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたり、今後はアンコール朝の統治システムの変遷との関連についての検討に注力したい。特に、これまでの研究により対外交易において大きな変化がおきたことが判明した、アンコール朝における最盛期を築いたとされるジャヤヴァルマン7世の時代における王権・統治システムの変容を明らかにするため、関連史料の検討および現地調査を進める。上記の研究を通して、本研究の最終成果の公表にむけて論文執筆等を行いたい。
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